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ドローンを預けるということ

ディズニーにあるアトラクションに、
ソアリンというアトラクションがあるのはご存じだろうか?

ライドに乗って、世界中の名所や大自然をめぐる雄大な空の旅へ!
と銘打って、多くのお客様を魅了するアトラクションだ。
(もちろん、このアトラクションはGCだろうが…)

そんな、空から撮る映像を個人が撮ることが出来る機械がドローンだ。

そんなドローンが個人に広まり、
飛行機に持ち込むことも、少しずつ増えてきた。



空港職員にとって、ドローンは天敵だ。

万が一、空港に周囲で見つかった場合、
出発及び到着を行っていた飛行機のすべてに対し、
即時停止を行い、安全確認を行わなければならないからだ。

今のところ、日本の空港において、ドローンが空港周辺で発見され、
トラブルになったことは多くない。


空港職員にとって、ドローンは天敵だ。

ドローンを持って移動するために、
お持ちいただくことも増えてきたことで、
安全確認を行わなければならないものが増えたということだ。

まだまだ見慣れないものを預かるためには、知識と経験が必要だが、
件数として多くない。


同僚と話していると、
「ドローンの安全確認のため、
 手続きに時間を要してます」
常につけている無線からそんな交信が聞こえてきた。

「ごめん、対応行ってくるわ」
同僚に別れを告げて、対応をしていると交信のあったカウンターに向かう。

ドローンを預かる経験をしたことがないと、
こういった交信が起きることがある。

カウンターに到着すると、カウンターにいる新入社員らしい、
ハードケースに入ったドローンを開けている、
今すぐキャンプに行けそうな格好の、
上が水色で下が黄色のジャケットを着ている男性がいる。

「なんで手間取ってる?」
やっぱり新入社員がドローンの対応をしていた。

「バッテリーの確認が出来なくて…」
私たちが見慣れてるモバイルバッテリーと、
形が違うだけで確認することが難しくなる。

「お待たせしております。
 バッテリーの確認に時間がかかっているようで、
 お時間をいただいております」
水色と黄色のジャケットを着た男性は、スマホで時間を潰していた。

「大丈夫ですか?」
男性は、飛行機に乗れることを心配したのだろうか?

「はい
 バッテリーの容量確認が取れれば、問題ありません」
ドローンで気をつけるのは、バッテリーだけだ。

「バッテリーはいくつお持ちですか?」
バッテリーの容量が確認できれば、
個数が問題になる。

「今日はこれだけですね」
ドローンが入っているケースの隣にある、
別の黒いカバンを指さして、そう言った。

「ありがとうございます
 拝見いたします」
先に確認したバッテリーと同じものか、確認をすればそれでいい。

「ありがとうございました
 すべての確認が取れました」
まずは確認が取れたことを、お伝えする。

「そうですか」
男性はスマホから顔を上げ、こちらを見て

「で、預けられますか?」
そう言った。

「こちらのドローンはお預けいただけます。
 バッテリーは、機内へお持ち込みいただきたいです」
そう、依頼をする。

「なんでバッテリーは預けられないんですか?」
不思議そうな顔をして、たずねる男性

「はい
 こちらのバッテリーについては、リチウムイオンを使用したものですので、モバイルバッテリーと同様の対応が必要となります。
 そのため、バッテリーは機内への持ち込みが必要となります」
モバイルバッテリーは機内へ持ち込む、ということを知っている方は多いので、そう説明してみる。

「そうなんですね
 わかりました」
ドローンの入ったケースから、バッテリーを抜き出し、
リュックに入れたいただいた。

「お時間をいただきました。
 ご協力いただき、ありがとうございます。」
そう、お礼を伝えると、男性は保安検査場に向かって、歩いて行った。


今回の題材は、ドローン

とは言っても、特に問題になったのは、〈バッテリー〉

バッテリーは様々あるが、
確認しなければならない内容はすべて一緒だ。

特に、多くの製品に使われる、大容量のバッテリーは、
リチウムイオンを使ったものが多い。

リチウムイオンの確認することは、
・リチウム含有量
・ワット時定格量

この2つが確認できれば十分だ。

ワット時定格量とは、
ワット時定格量(Wh)=定格定量(Ah)×定格電圧(V)
で確認することができる。

ワット時定格量(Wh)で表記されている製品もあるが、
定格定量(Ah)と定格電圧(V)しか表記されていないものもある。

そうなったら、自分で計算するしかない。
空港職員も、計算をして、確認するしかないのだ。

ドローンで多いのはDJI社製
小型のドローンであれば、機内へバッテリーを持って入ってもらえれば、
問題なく預けることができる。

しかし、大型のものとなると、預けられない可能性が出てくる。

是非、確認してお持ちいただきた。

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