見出し画像

駅まで送っていきますよ

22:30くらいかな、東京の街を歩いていた時の話。帰り道なので地名は伏せます。

13:00集合で浴びるように酒飲んで、途中で17:00くらいに解散しても一人で死ぬほど飲んでた。

最後2時間くらいはウーロン茶しか飲んでなかったので完全に酔いも覚め覚めで、帰ってコロッケとか作ろうと思ってた。

家まで5分くらいのココスの前で、女性に話しかけられた。

「すいません、A駅まで行きたいんですけど」

どうやら道に迷ってるらしい。なんかめちゃくちゃに酔ってる女性だったので、心配だし、歩いて5分か10分くらいの駅まで送ってあげることにした。

黙ってるのもアレなので、雑談しながらテクテク歩いていた。


「駅まで着いたらあとは自分で帰れそうですか?」


「はい、駅の近くに住んでるので大丈夫です。こんなに優しくしてもらって、何かお礼したいので、居酒屋とか入りませんか?行きたかったらホテルとかでもいいですよ!」

下品なギャグ言えるようなので、多分大丈夫だろうと思っていた。

2,3分歩いたところで異変に気づいた。

この女、めっちゃくっついてきてる。

マインクラフトの土ブロックぐらいの速度でくっついてくる。

昔、雑誌か何かで「女性と歩くときは車道側を歩け」って書いてあったので基本的に車道側を歩いていたのが裏目に出た。

めちゃくちゃくっついてきて、僕が避けるとそれを追いかけてまたくっついてくる。また避けるとくっついてくる。

気付いたら僕は車道を歩いていた。ちなみに女性は車道には入ってこなかった。

どうやら車道を歩いてはいけないというモラルは残っているらしい。

車道を歩く僕と歩道ギリギリを歩く女性。なんか車になった気分だな〜。カーズってこんな気持ちなのかな。カーズと飼い主の散歩みたいになってきた。

その間も、ホテルがどうこうとかめちゃくちゃ言われたが、めんどくさいので無視した。

駅に着いたのでさっさと帰ろうと思ったとき。

「待ってください実は私、仕事で...」

ここまで聞いたとき、点と点が線になった。あぁなるほど。多分道案内させてエッチな店にでも誘う風俗キャッチみたいなやつか、と思った。

「待ってください実は私、仕事で絵を描いておりまして、よかったらお仕事頂ければと思って」

え????????

え??????え????

ゑ??????ヱ?????

絵??????????????

風俗のキャッチではなく、絵描きだった。なんだこいつ。

めちゃくちゃ怖いし、結局一枚も絵は見てないので仕事を頼むこともないだろうな。

そもそもココスで一人ででろんでろんになるまで酒を飲むな。絵描きなんだから。いや絵描きじゃなくても。

僕はめちゃくちゃ怖かったので「お疲れ様です!!!」って言ってすぐその場を去った。

帰り道、あれは何だったんだろうと思いながらなぜか一人車道を歩いてた。カーズだった頃の癖で。

この記事が参加している募集

スキしてみて

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?