Twitterに望む仕様

 読書レビューを展開する目的でTwitterアカウントを作成して、閲覧だけではなく自分自身がツイートするようになって感じたことがいくつかある。ここでは投稿する立場として、Twitterを快適に利用するうえで「あればいいのに」と考えた具体的な機能や仕様をいくつか挙げてみたい。

①通知対象項目の設定機能

 ツイッターには自分のアカウントやツイートに対する他アカウントの反応を通知するための、鈴のマークで描かれた項目が設けてあり、新着の通知があった場合には件数の数字がベルの上に描画され、ユーザーの設定によってはスマホなどのデバイスへの通知も行われる。そして通知欄を押下すると反応したアカウントとともに、通知の内容が一覧で表示される仕組みになっている。通知の種類として代表的なものとしては、フォロー、ツイートへの返信、いいね、リツイートなどが挙げられる。

画像4

 私が通知欄についてややお節介に感じるのが、この通知の対象項目の範囲が結構広い点である。前述の代表的な対象項目は自分のアカウントやツイートに対する直接的な反応なので基本的に支障はないのだが、このほかに他のアカウントの投稿へのリツイートや、自身のツイートに対する返信への返信やいいねまでも通知の対象になっている。特にリツイートへのいいねは個人的には結構煩わしく感じるので通知欄に表示されない方法をネット上で漁ってみたが、結局見つけることができなかった。このあたりの利用者によっては不要な通知を防ぐため、通知対象項目を選択する機能があって良いのではないかというのが提案である。通知するアカウントについては対象を絞る機能が既に存在するが、現状は不可能な通知項目の選択で、より快適に利用できるようになるのではないだろうか。

 そして、この機能が有用ではないかと考える理由がもうひとつある。それは、引用リツイートへの対策としても利用できる点にある。著名人やフォロワー数の多いアカウントに対していわゆる「クソリプ」を送りつける行為がたびたび問題になることもあって、比較的最近になって返信への制限を可能とする機能が追加されている。

返信制限

 上の画像のようにツイート時に「全員」「フォローしているアカウント」「@ツイートしたアカウントのみ」から選択することでリプライできるアカウントを制限できるのがこの機能で、一定のクソリプ対策が可能になっている。ただ、この対応から漏れるのが引用リツイートである。引用リツイートはブロックさえされていなければツイート可能で、実質的にはリプライに近い利用が可能である。この対策が漏れている理由は不明だが、引用リツイート自体は実質的には、あるツイートのURLを貼り付けてツイートするのと変わらないため制限することが難しいのかもしれない。そのうえで、非通知項目の設定が可能であれば、少なくとも通知されてしまうが故に、他の通知を見る目的で通知欄を開いた際に内容を目にしてしまう機会を投稿者側で断つことが可能になる。そのような防御策のひとつとしても、通知項目の選択設定には、現状存在するアカウント参照以外で通知を制限する方法として需要があるのではないだろうか。

②プロフィール欄のリツイート非表示

プロフィール欄

 他の利用者のツイートをリツイートすることで自分をフォローしている他のアカウントにも拡散できることもTwitterの特徴のひとつである。このリツイートだが、扱いとしてはツイートの一種となっているため、前の項目にもあるようにリツイートへの「いいね」などの反応も通知されるし、プロフィール欄にも自身のツイートと並んで表示される。

 ここでの提案は、このプロフィール上でのリツイート表示の有無についてである。私としては、他のアカウントからプロフィールを見られたときには、個人のツイートを見てもらえるようにしたい。しかし普段からリツイートを頻繁にしていると、リツイートに個人のツイートが埋もれて見づらくなってしまう。このため、冒頭で触れた私が利用している読書用のアカウントは発信目的で利用しているので、プロフィール欄への表示を考慮してリツイートを控えることになる。そしてリツイートを望まない利用者が一定数いるという根拠としては、フォローしたアカウントの「リツイートをオフにする」機能をTwitterとして用意していることからも推し量れる。

 このあたりを配慮せずにリツイートできるようにするための提案が、プロフィール欄でのリツイート表示の有無である。プロフィール欄を表示した後にそのアカウントのリツイートを表示させないよう選択可能にすることで、アカウントのツイートのみを確認可能になる。また、アカウントの指定によって、リツイートのデフォルト表示有無を指定できれば、より望ましい。この機能によって、従来よりもリツイートしやすくなることは、誰にとってもマイナスにならないだろう。

③鍵アカ対策

 本項目は機能の抑制についての提案。まず鍵アカ(垢)が何かと言うと、ツイッターには自分のアカウントに鍵を掛ける機能がある。ブラウザ版のツイッターで機能を設定する手順を確認すると、「もっと見る」→「設定とプライバシー」→「アカウント」→「アカウント情報」の順に遷移して「ツイートを非公開にする」にチェックを付けることで、アカウント名に鍵マークのアイコンが表示される。これによって、フォローしているアカウントだけしか、鍵アカのツイートやプロフィールを確認することができなくなる。そして新規のフォローについては、鍵アカ側の承認が必要になる。

鍵アカ

鍵アカ2

 この機能そのものに不服はない。例えば鍵を掛けた状態で現実に顔見知りのメンバー同士でフォローし合って交流に利用したり、ある程度交流の相手を獲得したアカウントが知り合い同士のみでコミュニケーションを閉じたい場合、ほかにツイートがバズって厄介なアカウントに狙われやすくなった場合の一時避難として利用されるケースもときおり目にする。

 ただ、この鍵アカについてツイッター上でよく目にする不満が、鍵アカからフォロワーではないアカウントに対するリプライや引用リツイートである。鍵アカをフォローしていないアカウントにリプライや引用リツイートでコメントを投稿しても、書かれた側にはそのコメントを読むことはできない。そのうえ、どのアカウントが発言したかさえも特定できない。この仕様を知ったうえで鍵アカからと思しきコメントを目にすると、見知らぬアカウントから好き放題に陰口を叩かれているのではないかという不愉快な憶測が生じる。この現象については、著名人・一般人を問わず多くのアカウントから不満の声が上がるのを目にした。何が問題かというと、鍵を掛けているため自分のツイートは見られないうえ誰かも特定されないにも関わらず、他のアカウントのツイートに対しては発言できるという非対称さだろう。

 ここで提案するのが、鍵アカは、フォローされているアカウント以外に対してはリプライと引用リツイートを不可能にする仕様である。要するにコメントできる対象は、相手も発言できる場合に限るべきということだ。仮にこの制限が実現したとして、回避するために鍵を掛けていない状態でリプライした後に鍵を掛けたとしても、通知からアカウントと発言内容は特定でき、そこからのブロック等も可能である。そもそも鍵状態でのリプライが面倒になるだけでも、煩わしさからネガティブな用法も減少することが期待できる。というわけで、この項目は現仕様で鍵アカにまつわる不公平な状況が生まれる現状を是正するための提案である。

④「いいね」機能制限ツイート

 ここまでのツイートについては、一般のアカウントからフォロワー数の多い著名人のアカウント、ツイッター以外でのネット上の意見など、他の利用者の声も参照したうえで、自分自身の考えと一致するような内容について提案を述べてきた。その点、この項目の要望は直接的には目にしたことがなく、一般性はあまりないかもしれない。それがツイートする際に自分のツイートに「いいね」をできなくする仕様の追加である。もし実現するとすれば表示のうえでは、前述の鍵アカでのツイートにリツイートができない状態や、返信に制限をかけた状態のように、「いいね」ボタンが押下不可で表されるだろう。

 ツイートのなかには、あまり「いいね」をされることに意味がないツイートがある。わかりやすい例としては、認知症の方や迷い犬などを捜索するツイートである。このようなツイートはあくまで周知が目的のため、拡散になるリツイートは有意義でも、「いいね」に関しては存在自体が微妙なところがある。また、そこまで話が大きくなくても、あくまでフォロワーへの周知が目的のツイートをする場合には、「いいね」の対象となることは特に望まないケースもある。そんなシーンに対応して、従来通りリツイートとリプライは可能だが「いいね」操作は不可とするツイートができても良いのではないだろうか。

 本項の初めに、この要望を直接の声として目にしたことはないとは述べたが、需要があるのではないかと思える根拠がひとつある。それが最近になって追加されたフリート機能である。このフリートでは「いいね」機能は存在しない。フリート追加の理由として説明されているのが、気楽に無意味なツイートをできるようにする目的が挙げられている。個人的には、この要件の根本はフリートという新規の機能を追加するまでもなく、ツイートから「いいね」を失くすだけでも実現できたのではないかと考えている。そしてフリートは24時間で消えてしまう仕様だが、「いいね」は必要なくても、つぶやき自体は残しておきたい利用者も少なくないのではないだろうか。初めに述べた純粋に周知や拡散が目的のツイートだけでなく、反応を気にしたくない、かつ履歴には残るツイートとして、「いいね」対象外のツイート機能はアリではないだろうか。

おわりに

 ということで、投稿するようになって以降、折々に考えた「Twitterにあればいいな」という仕様をまとめてみた。振り返ってみると、4点のいずれもが何かを制限できるようにするための仕様提案だった。これには、私個人がSNSのなかではTwitterを気に入っている理由としてシンプルさが大きな要因にあって、それだけに純粋な機能追加自体はそれほど歓迎しない背景もある。今後も現在の方向性は守りつつも、仕様としてできる範囲で不快さやストレスの軽減が可能になることを望んでいる。

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