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Twitterの「いいね」は消えるのか?

 この記事ではツイッターの読書垢界隈で定期的に目にする「"いいね"をしたはずなのに消えている」という嘆きが事実であるかを確認しています。"いいね"は本当にツイッターの不具合などで消えているのでしょうか?

1.続出する「"いいね"が消えている…」という呟き

 読書レビュー報告を主な目的に利用しているツイッターのアカウント(通称:読書垢)のタイムラインで定期的に目にするフォローさんの呟きがあります。それは、「フォローしている読書垢さんの、『#名刺代わりの小説10選』に"いいね"をしたはずなのに消えてしまっていました。"いいね"し直したのですが、通知がウザかったらすみません・・・」という困惑の声です。
 『#名刺代わり(がわり)の小説10選』は読書垢界隈で頻繁に使われるハッシュタグです。愛読家が好きな小説を精選するところから、読者としての嗜好を表しやすく趣味の合う利用者を見つけやすい用途からも、自己紹介を兼ねてプロフィールの固定表示に選択している利用者も少なくありません(読書垢で頻繁に見かける一部のハッシュタグについては、『Twitter読書アカウントのハッシュタグ』という記事を投稿しています。興味があればご覧ください)。
 "いいね"は本当に消えるのでしょうか。私自身が過去に"いいね"をしたツイートから確認してみましょう。

2."いいね"が消えたツイート

 既にツイッターを利用している方にはお馴染みの仕様ですが、画像のようにツイートの下部にあるハートマークが"いいね"で、これをクリック(タップ)すると"いいね"した意味でハートマークが赤く色づけされます。"いいね"はリツイートのような確認のワンクッションもなく、手軽に投稿者に好意を送ることのできるアクティビティです。

いいね

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利用者が嘆いているのはある程度の日数が経過した後に、確かに"いいね"をしたはずのツイートなのに、"いいね"アイコンが赤くなっていないという現象です。ここで実際に、私が"いいね"をしているにも関わらず、アイコンが赤くなっていないツイートがあるかを確認してみましょう。

 次のツイートはフォローしているアカウントがツイートした『名刺代わりの小説10選』で、やはり「固定されたツイート」としてプロフィール欄への固定表示が選択されています。こちらのツイートは4カ月以上前のものですが、お互いにリプライを送るなど馴染みにさせて頂いた方だったこともあって、はっきり"いいね"をした記憶が残っています。ハートのアイコンが赤くなっているかを見てみましょう。

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 白抜きの初期状態です。これで他の利用者がツイートされている、"いいね"状態が取消されているような表示を、私の"いいね"から確認できました。

3.「いいねしたユーザー」を調べる

 ツイートの"いいね"やリツイートは自他に関わらず、送ったアカウントの一覧を確認することができます。ツイートは個別に選択すると、こちらの画像のように下部表示の一部が一覧状態から変化し、返信があればこちらのようにツイートに連なる形でリプライのツイートが続いて表示されます。

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 ツイートは返信だけでなく、誰がリツイートしたか、誰が"いいね"をしたかを、そのツイートさえ見れるのなら誰でも参照できる仕様になっています。今回、注目すべきは「313件のいいね」と表示されている箇所で、選択すると"いいね"したアカウントの一覧が表示されます。

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 この一覧を辿って自分のアカウント名を確認すれば"いいね"したことは確認できるはずです。しかし、一覧に一通り目を通してみても、私のアカウント名は存在せず、やはり"いいね"が本当に消えているように見えます。

 しかし、ここで不自然な点がひとつあります。画像のように"いいね"の数が313件になっているのに対してリストに表示されているアカウントは、感覚的に数十件程度にしか見えませんでした。改めて数えてみると、このリストに表示されていたのが49件に過ぎないことがわかります。つまり、"いいね"の件数が多い場合、一覧に表示されるアカウントは一部に過ぎないということです。それでは今度は、"いいね"数がこの約50件という数字より少なく、自分が"いいね"した記憶のあるツイートではどうでしょうか?

4.もうひとつのツイートの"いいね"

 次にご紹介するのも、やはり過去に"いいね"をした記憶があるツイートの画像です。ただし前回と違うのは『名刺代わりの小説10選』でも、プロフィール固定ツイートでもないということです。

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 "いいね"数は18件で、やはり付けたはずの"いいね"は白く表示されてしまっています。ここで先ほどと同じ手順でツイートの詳細を表示した後に、"いいね"したアカウントの一覧を表示してみましょう。

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 先ほどと違って私のアカウントが一覧に表示されています。ここまでを踏まえてわかることは二つです。ひとつは、どうやら過去に付けた"いいね"がデータとして消えているわけではないらしいこと。もうひとつは、"いいね"をしていても"いいね"数が多いツイートの一覧には表示されない場合があること。ただし、これだけでは本当に"いいね"が消えていないのか、若干心もとなく感じます。この現象を別の方法からも確認できないでしょうか?
 そこで目をつけたのがプロフィールに存在する"いいね"の履歴です。

5."いいね"の履歴をたどってみる

 それぞれのアカウントのプロフィールからは、過去のツイート以外に返信を含めたツイートや、画像添付のみを表示するタブに並んで、そのアカウントが付けた"いいね"を確認できる項目があります。今回、見るべきはこの"いいね"タブです。もし先ほどの確認が正しければ、過去の"いいね"履歴のうち、どの時点からか"いいね"をしているにも関わらずハートマークが赤表示されないツイートが出現するはずです。そのために、ここではこの右端にある"いいね"欄を表示した状態で、ひたすら自分の"いいね"履歴を遡ります。

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 といっても、ここで利用しているのがPCのブラウザ版ということもあって、確認はそれほど面倒ではなく、やることは上記の状態でキーボードの"End"ボタンを押しっぱなしで、画面を眺めるだけです。試してみると当然、"いいね"アイコンが赤いツイートが延々と続きます。そして、しばらく待ち続けているとやはり現れました。

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 上のツイートは赤く、下は白く、"いいね"アイコンが表示されています。そして以降の履歴をしばらく確認した限り、やはり全てのツイートの"いいね"アイコンが白く表示されています。そして、どちらのツイートの"xx件のいいね"から表示できるアカウントの一覧にも私のアカウントが表示されています。ちなみに上が8時35分、下が8時23分のツイートです。また、これ以降のツイートの中から"いいね"数が多いツイートのアカウント一覧を参照したところ、やはり先ほどの『名刺代わり~』ツイート同様に一覧表示のなかでは埋もれてしまっているようです。

 プロフィールの"いいね"一覧に存在する限り、システム上のデータとしては、"いいね"をしていると分類されているはずです。このことから、ある程度過去のツイートについては、"いいね"をした当人からはアイコンが赤くは見えなくなってしまうことが明らかです。つまり、"いいね"をした事実はデータとして消えずに残されているということになります。

6.まとめ

 前項の繰り返しになりますが、結論としては、"いいね"をした事実は消えておらず、ある程度過去のツイートは"いいね"の有無に関わらずアイコンが赤く表示されないということになります。そしてもうひとつ紛らわしいことに、対象のツイートの"いいね"を押すと再び赤く表示されるだけでなく、"いいね"数も加算されるため(総数は一定時間後に調整される)、"いいね"が消えたという誤解がますます広まりやすい状況を招いています。

 そこで気になるのが、どのぐらい過去のツイートなら「変色」するのかということです。先ほどの履歴から結論づけられそうなものですが、実はこの確認は以前にも行っており、今回はその際より「変色」までの期間が明らかに長くなっていました。また、私は複数のアカウントを利用しているのですが、利用頻度の少ない別アカウントでは、もっと過去のツイートの"いいね"でも赤く表示されていました。このことから、「変色」のタイミングは経過した時間ではなく、利用者の"いいね"数に応じると推測できます。

 もうひとつ残った疑問は、なぜ『#名刺代わりの小説10選』ツイートに限って「いいね消失報告」が多かったかという点です。考えられる理由は二つあります。一つ目は前述した通り、このタグのツイートの多くがアカウント主によってプロフィールに固定表示されているためです。固定表示は後の投稿に関わらず、各アカウントの一番上に掲載されます。このため、比較的古いツイートが人目に触れることになります。もう一つの理由は、このタグのツイートは"いいね"されやすいという事実です。自己紹介も兼ねる『#名刺代わりの小説10選』は複数の書籍を紹介していることも相まって読書垢の共感を得やすいため、"いいね"数が3桁を超えるツイートも珍しくありません。さらに相互フォローであれば、なおさら"いいね"を付けている可能性は高くなります。この二つの理由から、相互フォロー先のツイートの見落としがないかプロフィールを参照した際に、付けたはずの”いいね”が赤くなっていないという発見が多発しているのでしょう。そして、"いいね"数が多いツイートであるがために、一覧から自分のアカウント名を確認しようとしても見つからないことも、この現象を助長していると考えられます。

 以上が読書垢界隈で頻繁に報告される、「『#名刺代わりの小説10選』の"いいね"が消える現象」の実像のようです。そもそも、ツイッターはなぜこのような紛らわしい(おそらく)仕様を採用しているのでしょうか。私は、後日になって容易なキャンセルをさせにくくするための措置ではないかと推測していますが、実際のところは不明です。

おまけ.二回目の"いいね"

 前項で二回目の"いいね"をした後に"いいね"の総数がひとつ余分に多くなることについて、一定時間経過後に調整される(減少する)と短く片付けた件についての確認です。「4.もうひとつのツイートの"いいね"」で参照させて頂いたツイートを例に、再び"いいね"をしてみます。

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 "いいね"アイコンが赤色表示になり、"いいね"数もカウントアップされました。暫定的に数値が二重加算されている状態です。ツイートをブックマークに保存し、しばらく後に確認した画像がこちらです。

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 赤色表示はそのままに、総数が調整されたようです。(※追記※さらに一日後に確認すると、アイコンの色も再び白色に戻されていました。)ちなみに、「いいねしたユーザー」の表示順は下の画像のように、最も新しいユーザーとして一番上に移動していました。

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【2021/1/30 追記】
初めて"いいね"をしたタイミングは関係なく、ツイートの投稿日時が白色化の基準になるようです。ですので、初めて見たツイートに"いいね"をしても、その投稿が古い過去のものなら、短時間で白色に戻ります。

【2021/2/13 追記】
単に古いツイートであれば"いいね"をして時間を置けば必ず白色化するのではないかという疑問もあり、これまでに"いいね"を全くしていない、検証等に利用するためのサブアカウントで確認してみました。

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試しに、ツイッター公式日本版の2008年1月9日というかなり古いツイートを"いいね"しています。上の画像のように私が使用したアカウントの"いいね"件数はこの1件のみです。"いいね"をしてから数日が経過しても、色は赤いままです。やはり、それまでに付けた"いいね"の個数も、白色化の基準に関わっているようです。

(※トップ画像はpixabayより。作成者はPeggy_Marco様です。)







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