韓国プロ野球 我が愛しのロッテ・ジャイアンツ応援歌(43) 愛国歌
愛国歌 애국가
韓国プロ野球を現地で何試合か観戦すると、韓国の国歌を知るようになる(愛国歌と呼ぶらしい)。
毎試合、ゲーム開始直前に歌われるからだ。
日本のプロ野球の場合、普通の試合では「君が代」は歌われないだろう。日本シリーズの時くらいか。
曲調は荘厳というか勇壮というか、国歌らしいメロディである。
동해(とんへ):東海(=日本海)
물(むる):水
과(ぐゎ):と
백두산이(ぺくとぅさに):白頭山が
마르고(まるご):乾いて
닳(たる):すり減る
도록(とろ):まで
하느님이(はぬにみ):神様が
보우(ぽう):保祐(守って)
하사(はさ):くださる
우리(うり):私たちの
나라(なら):国
만세(まんせ):万歳
무궁화(むぐんふぁ):無窮花(ムクゲ)
삼천리(さむちょり):三千里(朝鮮半島の別称)
화려(ふぁりょ):華麗
강산(がんさん):江山
대한사람(てはんさらむ):大韓人
대한으로(てはぬろ):大韓を
길이(きり):永遠に
보전(ぽぢょん):保全
하세(はせ):しよう
参考動画
2016年、釜山。
いい声質。
2011年オールスターゲーム。
2012年オールスターゲーム。
たまにアイドルらしき歌手が来るのだが、自分にはわからん。
「水が乾き山がすり減るまで……」といったあたりは、「さざれ石の巌となりて……」の君が代を連想させなくもない。
韓国の国歌が私に強い印象を残したのは、これを聴く時の選手たちの姿勢である。
一斉に脱帽し、右手を左胸に当てて、軽く俯いている。
心からバックスタンドの国旗に敬意を表しているように見える。
スタンドの観客の一部も、同じ姿勢をとっている。
日本ではこうはならないだろう。
なるほど愛国心とはこういう風にして醸成してゆくものか、という気がする。
兵役の義務があることも、愛国心の強度に関係しているだろう。
歌が流れる時間帯、私はいつも、どういう姿勢をとればよいのか戸惑ってしまう。
一応、起立はする。
しかし、外国人である自分が胸に手を当てるのはおかしいだろう。
仕方がないから、両手をぶら下げて、棒立ちの体勢である。
そうして上に書いたようなスタンドの客や選手たちの様子をジッと観察する。
ところで海の呼称をめぐって、日本海か、東海(トンへ)か、という論争がある。
朝鮮半島の東に位置するから東海なのだろう。
ヒトが勝手につける名称だから正解は無いし、論争が決着することもないだろう。
「東海」の文字は、国歌の歌詞に埋め込まれている。
何しろ国歌の最初の発声が、東海の「ト」なのだ。
これがダメということは、君が代の「キ」を否定されるようなものだ。
そうなれば日本人だって、「ハイ、そうですか」と受け入れる選択肢はとり得ないだろう。
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