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沖縄、冬旅のススメ。#1 冷房も暖房も不要。ホモ・サピエンスが活動するには最適の気候

 これを書いているのは2023年2月11日だが、このたび避寒目的で沖縄に行ってきた。
 6泊7日の小旅行だ。
 現地の気温は15度から25度の間である。
 冷房も暖房も不要――。
 ホモ・サピエンスが活動するには最適の気候だ。
 プロ野球チームが毎年この時期に沖縄でキャンプを行うのも納得できるというものだ。
 寒いなら、渡り鳥のように適地に移動するのが合理的だ。
 それなのにヒトは定住してしまった。
 そして高い電気代を支払ってエアコンをつけたり、灯油ストーブで化石燃料をせっせと燃やしたりして暖をとるなど涙ぐましい努力をしている。
 脳の小さな鳥でさえ移動するというのに……。
 何だかなぁ、という感じだ。

恩納ナビーちゃん

 私事だが、2009年に初めて沖縄を訪れて以来2018年まで、毎年のように沖縄に通っていた。
 しかし、それらはすべて5月・6月・7月のどれかであった。
 スノーケリングを主な愉しみとしていたからである。
 しかし、新型コロナに関する報道を見聞きして訪問を避けたこともあって、連続旅行記録が途切れた。
 今回、約5年振りに懐かしの地を踏んだわけであるが、この季節に訪れたのは初めてだ。
 海に入る目的があれば別だが、冬の沖縄も素晴らしいではないか、と認識を新たにしたところである。
 何しろ気候が快適だ。

 むつみ橋の交差点からアーケードに入り公設市場周辺の匂いを初めて嗅いだとき、20代後半だった私は「これ、アジアじゃん」と思った。
 けれど、不思議なことに日本語が完全に通じる。
 日本語が完全に通じるアジアだな、と思ったのである。
 一方で、真逆の感覚を抱いたことがあるのを思い出した。
 韓国のソウルやプサンを訪れた時だ。
 見てくれは東京と同じだな、と思った。
 けれど、話し言葉や文字がまったく異なる。
 だから私にとって、沖縄と韓国はいわば反転した関係にある。
 沖縄とは、そういう貴重な体験ができる場所でもある。

(少し歴史を掘って俯瞰すれば、日本の本土には天皇を王に抱く王国(っぽいもの)があったのだ。そして琉球にはまったく別の王国があったのだ。それが明治時代になって一方が他方を吸収したのだ。そして吸収された側の王国は、他方の王が始めた世界戦争によって米国に踏み込まれて滅茶滅茶にされ、本土が独立を回復する際もあっさり切り捨てられ、そしていまだに米軍に「どうぞ継続利用して下さい」と生贄のように差し出されている状況にあることが分かるだろう。)

 また観光地たる沖縄は、本土から来る日本人の品性を観察できる場でもある。
「旅の恥は搔き捨て」とばかり、びっくりするほど下品な身なりや振る舞いをする旅行客がいる。(そうした旅行者には、なぜか関西弁が多いと感じるのは私だけだろうか。まあ、見たくないものは見なければよいのであるが。)

 とにかく同じ日本国に生まれ落ちながら、沖縄県を知らずに人生を終えるのは如何にも勿体ない。
 これまであの島々を一度も訪れたことのない人――若者はもちろん高齢者も――には、一度でよいから現地に行ってみることをおススメしたいのである。


 ここから先は一気に具体的な話になるが、沖縄を旅行する予定の方に向けて、ここでは次の2点について書き残しておこうと思う。

  • 全国旅行支援「おきなわ彩発見NEXT」(第2期)の地域クーポンのスマートな利用法

  • 路線バスのスマートな利用法

 グループで行く人やレンタカーを使う人にとってはまったく参考にならないだろうが、私のように車を運転できないソロ旅行者にとっては、知っておいて損はない内容も多少は含まれていようと思うからである。

(次回に続く)


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