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片思いの彼との話題枯渇問題

今日1月10日は何の日でしょう?
私が真っ先に思い出したのは、"ふるさと納税のワンストップ特例制度の申請書の提出期限"です。

なぜそのようなニッチな日が頭をよぎったのでしょうか?
答えは、"私が意中の男性との話題に困った時に繰り出す最終兵器トピックだから"
です。

ここまで読んだだけでも、"あぁ、この筆者は俗に言う"コミュ障"なんだろうな"とお察しいただけるだろう。
正解です。わたくしめは会話がド下手くそな人間なのだ。
具体的に言うと、"初対面の人とは割と会話が弾むけど、年に数回飲み会で会う程度の知人が1番会話に困る"タイプの口下手だ。
なので、恋愛においても初対面だとそれなりに盛り上がるのに、2回3回と会う度に話題がなくなり「あれ、この女最初は盛り上がったのになんか段々人見知ってないか?」と思われてしまうのだ。
(本人たちの口から聞いたことはないが、絶対そう思ってるに違いない。)

故に、意中の彼との会話が途切れた切り札として、いつの間にか口を開けばふるさと納税の話をするようになった。
今この文章を書くにあたり思い出したのだが、ちょうど2年前の今日も、私のふるさと納税節が炸裂していた。

その節の犠牲になったのは、友達が紹介してくれた1歳下の男の子だ。
スパイスカレーが好きとかあそこの立ち飲み屋が良いとかで会話が弾み、初対面の日に昼から夜まで5軒もはしごした。
趣味が合うし落ち着きのある物腰もお気に召した彼にその日のうちから惹かれて、すぐにまた会う約束をした。
しかし悲しいかな、顔を合わせる毎に会話のネタが尽きてゆき、回を重ねる毎に1回につき過ごす時間も激減していった。
4回目くらいだっただろうか、ランチでカレー屋だけ行った後すぐ解散宣言された時はめちゃくちゃ悲しかった。

あーこれはもう彼的には"完全にナシ"のやつだな。と察した私は、最後に想いを伝えるために彼を飲みに誘った。
(私は望みのない相手こそ区切りをつけるために告白したい派だ。相手からの「ごめんなさい」を聞いてすっぱり諦めたいのだ。)

決戦は土曜日の夜、小皿料理とクラフトビールが美味しい彼の好きそうなカジュアル酒場。
見込みがないことは承知の上だが、最後に彼との会話を楽しみたかった。
はずなのに、相変わらず何を話していいのか分からない。


「…アッ…そういえばふるさと納税した?」


終わった———

一品目の料理が来たか来てないかくらいの開始早々、最後の砦を出してしまった——
頭が真っ白になり、彼がふるさと納税で何を買ったのかそれどころではなかった。
残りの1時間余り、ぬるくなったドリンクを50口くらいに分けてちみちみと飲み続けた以外の記憶がない。

どことなく気まずい雰囲気でお店を出て、当然2軒目に行く流れにもならず駅に着いたタイミングで想いの丈を伝えたが、無事翌日お断りのLINEが届いた。


なお、この彼以外にも度々男性のふるさと納税事情を尋ねてきたし、3人目の彼氏に至っては告白される5分前に切り出した会話が「都市ガス派?プロパンガス派?」だった。
終電も気にせず居酒屋をはしごした後私の家に帰り、2人ベッドで眠りに入る前のやり取りだ。
どう考えても今から告白なり何なりが起こるだろ、というタイミングで契約しているガスを尋ねられ「都市ガスやな。ちなみに公共料金の支払いは、口座引き落としよりコンビニ振込派」と返してくれた彼とはお似合いの女だったのではないだろうか。
(価値観の違い等でわずか2ヶ月足らずで別れた)


話はやや脱線したが、これでいかに私が会話下手かお分かりになっていただけただろう。

こんな私だが、会話に困らない相手と出会えることもある。
"この人にならどんなくだらないことでも自分の思いのままに話せるな"と感じる人がたまーにいるのである。
そもそも私が口下手な一因として、"こんなしょうもないことや突拍子もないことを話したら、こいつ変な人/つまらない人だなと引かれそうだな"と不安になるのだ。
そんな不安を感じさせないような、どんな些細なボールでもストンと受け取ってくれそうな人。希少だが、確かにいるのだ。

そんな人と出会うまで、私のふるさと納税の話はまだまだ続く。

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