![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/47037690/rectangle_large_type_2_f2ff3113cb783d069b6806e19d063d3c.jpg?width=1200)
静かなスタート(道東1)
「なんで空港に来ただけなのに、寂しい気分にならなきゃいかんのだ?」
北海道へ渡るため、セントレアに向かう道中。
いまいち高揚感が湧かない。
当時、緊急事態宣言こそ発令されていなかったものの、旅行への抵抗があった。
飛行機に乗るだけなのに、背徳感を覚えながら、足取り重く電車は走る。
空港に着いた。
誰もいない。
人も飛行機も、まばらだった。
Tと会う。
彼もまた、うかない顔だ。
「なんで空港に来ただけなのに、寂しい気分にならなきゃいかんのだ?」
もうじきフライトの時刻。
2時間程度で新千歳空港に到着した。
セイコーマートの看板が見えたということは、今いる場所は北海道。
しかし、高揚感なく静かに始まったために、実感が湧かないのである。
大概、高揚感は時間の経過と共に増していくものだが、飛行機で2時間程度で連れて来られたものだから、気分が上がりきらないまま北海道の地を踏んでしまった。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?