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「頭で理解する」という誤解

理解は、頭でするものだと思っていると、壁に突き当たるかもしれません。
どうしても理解できない事があったら、それは理論だけ(頭だけ)で考えているからです。

頭で理解するとは、表の意識つまり自覚できる部分だけの話なのです。
本当の理解は、無意識の領域(感覚)で行われます。
無意識の部分は説明できないので、それを人に伝える事はできません。
頭で理解できる事など、物事の表面レベルでしかないわけです。

白色がどんな色かを説明する場合、言葉でいくら説明しても分かってもらえないでしょう。 でも実物の白を見せればすぐ理解してもらえます。

白色は周波数○Hzの電磁波で、光を反射して・・・、などと説明されても、全く本質が理解できないわけです(学問的に見ればそっちの方が本質ですが、ここは説明という事で)。 色は見ればすぐ理解できるのに、小難しい理論で説明されて理解できなくなるわけです。

この例は色なので、視覚で一発で理解できますが、大体の事はそうではありません。 例えば電子回路。オームの法則V=IRみたいな簡単なものでも、少しひねっただけで問題が解けなくなったりします。

それは頭で表面的な理論を理解しただけだからです。
V=IRを感覚で理解できていないからです。

理論は後付けなのです。
昔の人は、現象を感覚で理解した時に、それを言葉で説明できる普遍的なものに変換する必要があったわけです。それが公式(理論)です。

ですので、真の理解とは公式(理論)の方ではなく、その源となった感覚の方なのです。

そして、感覚という本質を得る手段は一つ、兎に角実機でやってみる事です。

恐らくこれは、どの分野でもあてはまると思います。
いくら頭で考えて理論を勉強しても、それだけで本質は理解できません。
実践を長く経験した人の理解には到底及ばないでしょう。

身の回りの簡単な事は、実践なしで理論だけで十分理解できます。
ですが、複雑な物事はそうはいかないのです。

今、理解しようとしている事が、虚像であれば実践しようがありません。
しかし実像であれば必ず実践はできるわけです。

電子回路は実在します。 頭の中の虚像ではありません。
だから、電子理論を頭の中でいじくってもだめなのです。
本物の電子回路をいじくらなければいけません。

机上でいくら考えたって、すぐ頭打ちになります。
頭だけでなく、手足を動かせば飛躍的に理解が進みます。



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