バイトに落ちまくった話(3)
カテキョーに落ちて
家庭教師のアルバイトに落ちてからも、諦めずにアルバイトを探していた。諦めないというよりは、自分の権威を保つためだけにとにかく受かりたかった。お前が必要と言われたかった。
次に応募したアルバイトは、銭湯のフードコートである。
フードコートを希望するということは料理好きだと勘違いされそうだが、料理は大学生になってから始めたため、切ったものを焼くということしか知らない。
フードコートは100%レンジでチンだと思っていたから、レンジの操作さえわかっていれば大丈夫だと思った。レンジには絶対的な自信がある。
面接の日
講義を終えてからの面接であったため、夕方くらいであった。
まず面接時間の10分前に銭湯に到着して、想定していた質問の答えを考えており、かなり余裕があった。
面接が始まり、シフトの希望や通勤時間を聞かれスムーズに答えたが、
「得意料理はなに?」
完全にシャットダウンした。一番してた料理は野菜炒め、というか誇張一切なしで野菜炒めしか食べてなかった。同じものを食べ続けても特に飽きなかった。全然関係ないけど、これってADHDの特性みたい。ひどい言われようだ。
焦ってめちゃめちゃ、本当に変な汗が出るくらいめちゃめちゃ考えて、昔母ちゃんから教えてもらった料理を答えた。
「豚肉の生姜焼きです」
場が凍った。ここからは何を質問されたか覚えていない。
本当に何も覚えてない。気づいたら家だった。
このバイトに関しては手ごたえがよくわからなかった。
よくわからなかったけど、友達とかには受かる気しかしないと言っていた。
バイトの特典で銭湯入り放題って書いてあったから、1日に何回でも入れるのかな~ってのんきに考えていた。
後日、お祈りの手紙と履歴書が家に届いた。
(4)へ続く
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