「褒める」ことの有用性

「私って褒められて伸びるタイプなんだよね~。」

「怒られてもやる気がなくなるだけ。」


現代はこのような事を言う若者が多くなってきた。

だからといって、最近の若者は根性が足らん!と言うわけではない。

そりゃあ褒められる方が気分も上がるだろうし、もっと頑張ろうって思えるだろう。

成果を上げた者を評価するシステムは、これから更に構築されていくべきだ。

そうなると、重要になるのは成果を上げた者を評価する人、上司の行動が重要になる。

なら自分には関係ないじゃんとは言えず、自分も部下や後輩を持つ可能性はあるため、後々身につけるよりは早めに体得しておいた方がいいのではないだろうか。



部下を叱咤することで、ケツに火をつけてやる気を促し、その部下が上の役職に就いた時に上司の行動の意味を知るというのは、もはや時代遅れのようになっている。

そもそも上の役職に就く前に辞めてしまうのだから、上司の本心を知ることはないだろう。

現在もそのような風習のある会社はあるが、その会社のほとんどはブラック会社と呼ばれている。

企業コンプライアンスが重視されている世の中であるため、度の過ぎる叱咤はパワハラに分類されてしまい、結果的に企業としての信用を落としかねない。

そのため、このような時代遅れの部下の教育は即刻止めるべきだ。


そういうわけで、社会の流れを見ていても褒めて伸ばすということが主流になっている。

しかし、褒めて伸ばす事というのは一見簡単そうに見えて、かなり高度なテクニックが要求されるのではないかと感じる。

褒めて伸ばすよりも、叱って伸ばす方が圧倒的に楽であるため、今でもひたすら叱る方針の会社は残り続けているのだろう。


では、褒めて伸ばすことの難しさはどこにあるのか。


1.褒め方の強弱


常に一定の感情で褒められるより、ちょっと褒められる時とめちゃめちゃ褒められる時が相手に伝わった方がモチベーションの向上に繋がるのではないだろうか。

いつも同じトーンで褒めるとしたら、それはロボットとやってることは変わらない。

相手の心を揺さぶる褒め方というのは存在しており、相手を動かすためには褒め手側の高度なテクニックが要求される。

人によって好む褒められ方も異なるため、そこまで目を向けることができれば完璧だ。



2.褒め過ぎてやる気を失わせないようにする


人は褒められるともっと頑張ろうって思う人ばかりではなく、自分が褒められることが当たり前だと感じる人もいる。

自分は能力があると思い込んでいて、明らかに自信過剰であったりするものだが、このような人は褒められるとむしろやる気をなくすのではないだろうか。

正確にいうと、自分の力量を把握することができていないため、手を抜いて仕事をしたりしてしまう。

しかし、頭ごなしに叱ってしまうとプライドがズタズタになってしまい、やる気をなくすどころではなくなる気がする。

このような人は褒めるだけではなく叱ることも欠かせないが、どちらかに比重を置くかによって当人のやる気がかなり上下するため、上に立つものとしての技量が問われる。


3.一挙一動に注意を払うこと


褒めるためには相手の事をよく観察しなければならないため、叱るよりも目を向けなければいけない。

成果だけを褒めるのであれば簡単かもしれないが、成果に至るまでの段階を褒められたら、よりやる気も上がるのではないだろうか。

更に言えば、見られていない陰の努力を評価してくれたとしたら、評価してくれる人に対しての信頼度はとてつもなく跳ね上がる。

部下の仕事を隅々まで見ることで評価する部分も見つけ出すことができ、部下も自分の仕事をやった分だけ評価したならさらに頑張ろうと思えて、その結果会社の業績アップにも繋がるのではないだろうか。


以上の3点から、褒めるというのはそんなに簡単なことではない。

褒める相手は子供ではなくて大人なのだから、過剰に褒め過ぎたとしてもかえってやる気を削ぐ原因にもなりかねない。

しかし、「褒める」ことをうまく活用すれば、相手の人心掌握にも繋がり、結果的に円滑に自分のしたいことを進めることができる。


ここでは関係ないかもしれないが、マインドコントロールと褒めることというのはかなり密接な関係なのかもしれないなとも思った。

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