堂々としたい夏休み。
訳あって、ただいま夏休み中。
ぼちぼちと夏休み明けの事を思案している最中である。
期せずしての夏休み。
思案中の事案をあーでもない、こうでもないと、試しがてら、こねくりまわす以外、やることがない。
終わりが未定の夏休み。
ただ、ごろごろ。ダラダラ。夏の疲れを癒すだけである。
でも、もうスイカも花火もない。
そんな寂しい夏休み、唯一の救いは、高校野球がやってないことである。
甲子園で繰り広げられる熱い戦いの圧力や輝きは、私にとって命取りだからだ。
正論は、ときに鋭い刃になる。
そんな夏休み、昼間、セミが命乞いをするように鳴き、夜な夜な、鈴虫は純粋無垢に鳴いている。
やっぱり、秋である。
それでも、まだまだ夜長には程遠い夜、スイカがないので、なしを頬張ってみる。
悔しいけれど、秋。
一番好きな果物の味だ。
でも、私の夏休みは始まったばかりなのである。
終わりが見えない、お化け屋敷のような夏休み。
入ったら最後、暗闇の中を突き進む。
決して、お化けには屈しない。
ただ、泣きわめきながら、出口を目指すしかない。
それが、お化け屋敷である。
歩いていれば、いつか出口にたどり着く。
道中、泣いてもわめいても、お化けは手加減はしてくれない。
下手したら、一緒に入った人に、見捨てられてしまう。
そんな夏休みなのだ。
ちなみに、一緒に入った人はいない。
ただ、はやく出て、安心したい。
できれば、入り口付近ではく、出口付近で、夏休みを満喫したい。
出口を見据えながら、海に行き、
出口に触れながら、山に行きたい。
学生には、夏休み明け、行かねばならない学校があるけど、
私には、まだない。
悲しい現実である。
切ない大人である。
はやく、出口付近で堂々と夏休みを満喫したい。
ただ、それだけが、私がお化け屋敷を突き進む理由である。
せっかくの夏休みなのに。
でも、お化け屋敷に入った自分は誉めてやろうと思っている。
そんな、終わりの見えない夏休み。
梨を頬張りながら、履歴書を書いている。
鈴虫の声が、妙に優しい。
鈴虫は、どうやら、正論ではないらしい
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