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クラーク記念国際-前橋商 2023年夏の甲子園

クラーク記念国際高校(以下クラークと書きます)は1992年、北海道深川(ふかがわ)市に開校した広域通信制高校です。
深川市は札幌市から北に110kmほどの距離にあり、旭川市の隣にある人口約18,800人(2023年)の市です。

北海道の高校野球の区分で言うと、空知支部にあたります。深川市以外には岩見沢市・滝川市・砂川市・夕張市などの高校が所属する支部です。
同じく空知支部に所属していた強豪・駒大岩見沢が2014年3月をもって閉校。
同校を甲子園4強に導いたことがある(1993年センバツ)佐々木啓司監督と、その次男達也氏はクラークに招へいされ、2014年4月から指揮をとりました。クラークの野球部はこの時に創部されています。

校長は登山家・冒険家として有名な三浦雄一郎氏で、卒業生は指原莉乃(元HKT48)市原隼人(俳優)、髙萩洋次郎(サッカー元日本代表)、竹内智香(スノーボードアルペン・ソチ五輪銀メダリスト)ら多士済々です(深川以外のキャンパスも含みます)。

北海道本校は深川市にあり、野球部もそこで練習しています。深川市は旭川市から約45km西にあり、札幌市から110km北東にある、人口1万9千人ほどの小さな市で、街を挙げて野球部をバックアップする態勢が整っています。
閉校になった中学校を野球部寮として改装し、その体育館は室内練習場として生まれ変わりました。
寮の玄関には「野菜ポスト」というプラスチックの箱が置かれ、地域住民が育てた野菜が届けられます。地域住民の全員が後援会の会員で、後援会費は遠征費用などに充てられるほか、会員が貸し切りバスで応援ツアーに繰り出す際にも使われました。

創部からわずか1か月半後、1年生のみで臨んだ2014年の春季大会は、空知支部予選の初戦で滝川工に0-9で7回コールド負けを喫しました。
しかしそこからみるみる力をつけ、彼らが3年生となった2016年の北北海道大会を制し、創部3年目にして甲子園初出場を決めています。

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