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演劇はコスパが悪いと言うけれど

演劇はコストパフォーマンスが悪い。

そんな話をよく耳にする。

特に若い世代からは。

20年以上演劇の世界に関わって生きているので、そんなことは身にしみてわかっている。

生身の人間(役者)がそこ(舞台)に存在しないと成り立たないのだから、コスパが悪いのは当然だ。

若手劇団の子に「もっとチケット料金上げたらいいのに。これじゃ採算取れないでしょ?」と聞くと「映画のチケットより高くしたくないんですよ」と言うセリフをよく聞く。

実際、映画と演劇はよく比較される。有名な役者の演技が2000円未満で観れるのだから、それを気にするのもわかる。

しかし、体験という意味では映画と演劇は別物だ。

体験に投資するのは非常にコスパがいいと言われている。

なぜなら、体験は時間が経つと美化されていくから。

物の価値は時間と共に下がるけど、体験の価値は時間と共に上がる。

体験という意味では演劇のほうがはるかに勝っていると思う。

CDやMVより、ライブのほうが感動するのと同じだ。

スクリーン越しではなく、生身の人間が目の前でパフォーマンスをしているのだから。

だからもっと自信をもって、チケット料金をとって欲しいし

高いと思うなら、料金に見合うものを作る努力をするほうが健全だと思う。


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