エイチームの決算に見る、広告費率が非常に高い理由とウェブ広告を打つために知っておきたい基本指標。

どうもコージです!
私は、毎日決算書を読んで企業の未来を妄想しています。
そんな私が決算書の中で面白かったポイント、未来への妄想ポイントを説明しています。

今回は前回見たエイチームというのがKPIとして掲げていた指標が、今後ウェブでビジネスをされる方がますます増えていく中で知っておく必要があるものなのではないのかと思いましたので、その説明をしていこうと思います。

知っている方からするとめちゃくちゃ初歩的な内容になってしまいますが、是非お付き合いください。

ちなみに前回の記事がこちらです。

それではまずこちらの資料をご覧ください。

エイチームの主力事業であるライフサポート事業のサブセグメントとして、デジタルマーケティング支援ビジネスというものがある事が分かります。

具体的には引越し侍や、ハナユメ、ナビナビキャッシングなどのウェブサービスを行っていてこれらはいわゆる比較サイトです。

引越し侍であれば、引っ越し業者の比較サイトですし、ハナユメであれば結婚式場の比較サイトです。

こういったビジネスがどのようにして稼ぐのかといえば当然、契約や見積もりなどの手数料です。
なので、サービスの最終提供者ではないので差別化が難しく競合が多いなかでも比較サイトにアクセスしてもらう必要があります。

そこで必要になるのがウェブ広告です、サービスでは差別化が難しいので広告を上手く打つことで自社サービスへの流入を増やしたいんですね。

なのでエイチームというのは広告宣伝費が非常に多額で、今期は売上74億円に対して広告費が28億円と対売上比で4割近くを広告に割いている事が分かります。

そんな中でこの広告費を最もかけているのがデジタルマーケティング支援ビジネスを行うライフスタイル事業です。

かなり多額の広告を打っていますし、社内外にウェブ広告のプロを抱えていそうですね。

そんなエイチームからウェブ広告を打つ際の主要指標について見ていきましょう。

まずエイチームはデジタルマーケティング支援ビジネスのKPI(重要視している指標)として、利用件数とARPU、CPAというのを上げている事が分かります。

ARPUとは利用者1人当たりの売上高の事です。
なので売上を分解すると、売上=利用件数×ARPUという事になります。

つまり売上を増加させるために、件数も単価も重要視して最大化を目指しているという事ですね。

これを最大化させようとすればもちろん広告を打ちまくればいいわけです、そうすれば少なからず利用件数は増えるはずです。
ただ、費用対効果ってあるじゃんって話で広告を打ちまくればいいって訳ではないので感覚的に理解できると思います。

そこで重要になるのがもう一つのKPIであるCPAというやつです。
これは顧客1人を獲得するための広告単価の事です。

つまり100万円の広告を打って、顧客が100人確保できればCPAは1万円になります、例えばARPU(利用者1人当たりの売上)が2万円で、CPAが1万円であれば100万円の広告を打つと200万円の売り上げが期待できるという事になります。

これが利益率10%のビジネスだとすると、200万円の売り上げで利益が20万円ですから広告100万円打つと80万円の赤字という事になってしまいますのでこれはダメだよねって分かるわけです。

なので売上の最大化、利用件数とARPUを増加するために広告を打つわけですが、その際にはCPAがいくらになって費用対効果が出ているかというのを見ていく必要があるという事です。

ちなみに利益率10%だと80万円の赤字になってダメだよねなんて話をしましたが、必ずしもそうではありません。

そこでもう1つウェブ広告を打つ際に考える必要があるのがLTV(ライフタイムバリュー)です。

これはトータルで考えるとでどのくらい貢献してくれるのっていう数字です。

例えば売っている商品がサブスクリプションのサービスだとすると、売上というのは長期間継続しますよね、200万円の売上で利益が20万円というのが10年続いたりするわけです。

そうするとLTVは2000万円となり、利益面でも200万円の価値がありますので広告100万円を売ったとしても10年間で見ると得をするんですね。

なので投資期間として赤字を出しながらも広告を打つという戦略もあるという事です。

このエイチームに関しては、主要サービスが引越しやウェディング、キャッシングなど長期的や反復的に売上を上げられるものではなくスポットでの売上となるものなのでLTVというのは重視していない(KPIではない)という事が分かりますし、売上がスポットな分広告を継続して打ち続ける必要がある事も分かると思います。

また、比較サイトの運営コストは低く利益率が高いサービスであることは想像できると思います。
先ほどの例で言うと利益率10%のビジネスだとすると、200万円の売上で利益が20万円ですが、利益率が60%であれば利益が120万円になりますので広告100万円打っても20万円の利益となりますので広告を打ちやすいという事ですね。

なので売上がスポットなので広告を減らすことが難しく広告費が多額になり続ける反面、利益率が高く積極的に広告を打っても利益が出せるという事で広告費が大きくなるという事ですね。

比較サイトなんかのサービスだと非常に利益率が高そうなイメージを持ちますが、広告費が多額になってしまうのでそこまで高利益率が期待できる訳では無いという事も見えてきますので、こういった広告の知識も必要なのではないかと思い、非常に基本的な内容になりましたが説明してみました!!

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