アンジェスから学ぶバイオベンチャーの決算の見かたと今後の株価

どうもコージです!
私は、毎日決算書を読んで企業の未来を妄想しています。
そんな私が決算書の中で面白かったポイント、未来への妄想ポイントを説明しています。

今日見ていくのはアンジェス株式会社です。
この会社は大阪大学発のバイオ製薬ベンチャー企業で、日本国内初の遺伝子治療薬が上市されたことで話題となった企業です。

こんなニュースがありました。

大阪大学発の製薬企業アンジェスは5日、新型コロナウイルスへの感染を防ぐワクチンの開発に乗り出したと発表した。大阪大学とタカラバイオと共同で開発する。動物試験などを行った後、早くて6カ月以内に臨床試験に進みたい考え。

同社はエボラ出血熱や高血圧症を対象にしたワクチン候補を開発している。これまでの経験を生かし、新型コロナのワクチン開発に着手する。一般的なワクチンはウイルスを鶏卵などで増やすため1年~1年半近い時間がかかるが、アンジェスの手法を使えば6カ月ほどでワクチンを製造できるという。製造はタカラバイオが担当する。

新型コロナに対する予防ワクチンの開発は世界で進んでいる。英グラクソ・スミスクライン(GSK)や仏サノフィ、米ジョンソン・エンド・ジョンソン、米イノビオ・ファーマシューティカルズや米モデルナ、米ノババックスなどが開発を表明している。

アンジェスは新型コロナに対するワクチンの開発をするようで、なんと6か月で製造が出来るようですね。
他の報道によるとすでにワクチンの設計図は出来ているようで、2週間ほどで動物実験用のワクチンが完成するそうです。

半年後には夏が来ているので、新型コロナの感染は落ち着いているでしょうが、今後いつ再流行してもおかしくないですからワクチンが出来たときにはしっかり打っておきたいですね。
ちなみにワクチンとは体に抗体を作っておくためのもので、病気を治すためのものではありませんので予防として打っておくことが必要です。

さてそんなアンジェスの決算を通じてバイオ・製薬ベンチャーの決算の見かたを説明しようと思います。

実はバイオ・製薬ベンチャーの決算の見かたは非常に単純です。
なぜなら見るべきポイントは2つしかないのです。
①現預金残高
②ストックオプション(新株予約権)

この2つだけ見れば十分です、結局のところ薬が当たるか当たらないかの勝負でしかないわけで、その予測は素人には出来ませんというか、私にはできません!!

という事で現金がなくなってしまうと、倒産や増資といった事になるので現預金の残高をみる。
さらに、過去に増資のためにストックオプションを発行している可能性が高いので、ストックオプションの数と行使金額を見てどの程度の株価になると株式が希薄化するのかをチェックするというわけです。

あとは、決算説明資料で作っている技術や薬についてなるべく分かりやすく説明してくれています、最新の医療技術に触れられて楽しいのでそれを読むのもおすすめです。

それではまずは、アンジェスの現預金残高を見ていきましょう。

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現預金は前期から50億円ほど増えて100億円ある事が分かります。
続いてこちらの資料をご覧ください。

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営業キャッシュフローが2年連続で̠-20数億円で投資キャッシュフローは今期は-12億円ですがその要因は有価証券の取得のようですから特殊要因だといえます。
という事は大体毎期のキャッシュアウトは25億円前後と考えられます。

現在100億円持っていますから単純計算で4年間は持つ計算になりますので資金的には余裕がありそうです。
という事は新しい大型投資をしない限り、しばらくの間は運転資金のために新たな増資が発表されることはなさそうですね。

続いてストックオプション(新株予約権)を見ていきましょう。

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ちょうど2020年3月4日に払い込みが終了したもののようです。
潜在株式数は1600万株です、アンジェスの発行済み株式数は約1億株ですから全て行使されると約14%ほど希薄化する計算になります。
行使価格は584円を当初価格としてその後は前日の株価の92%が行使価格となるようです。
アンジェスは新型コロナに対するワクチン開発を発表してから2020年3月5日、6日と2日連続でストップ高となっていますので前日の株価の92%という条件を考えると、すでに行使されている、もしくは週明けにも行使される可能性がありますね。

という事でストックオプションの行使が発表されて意外と株価は上がらない可能性もありそうです!!

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