決算から考えるディズニーランド1か月以上休園してもつぶれないの?

どうもコージです!
私は、毎日決算書を読んで企業の未来を妄想しています。
そんな私が決算書の中で面白かったポイント、未来への妄想ポイントを説明しています。

今日見ていくのは、株式会社オリエンタルランドです、みなさんご存知のディズニーランドを運営している企業ですね。

こんなニュースがありました。

 オリエンタルランドは11日、東京ディズニーランド(TDL)と東京ディズニーシー(TDS)について、これまで15日までとしていた休園期間を4月上旬まで延長すると発表した。政府からイベント等の10日程度の自粛継続要請を受けた措置。
ディズニーやUSJも休園に テーマパーク、営業自粛相次ぐ
 
両パークは新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、2月29日から営業を停止している。再開時期を4月上旬としたことについて、同社広報は「パークの安全確保と、再開に向けた準備期間を考慮したため」と説明している。
 TDL内で4月15日に予定していた「美女と野獣」などの新施設の開業は5月中旬以降に延期する。4月1日からのチケット料金の値上げは予定通り実施する。

どうやら2020年2月29日から2020年3月15日まで決定していた休園を4月上旬まで延長することを決めたようです。

休園という事は、1か月以上全く収入が入ってこなくなるわけですが会社の経営は大丈夫なのかを考えていきましょう。

それでは早速こちらの資料をご覧ください。

画像1

自己資本比率は78.8%と非常に高水準にいることが分かりますね。
しかし自己資本比率がどれだけ高くとも、倒産するときは倒産してしまいます。
なぜなら会社が倒産するときは、債務超過(純資産がマイナス)になった時ではなくお金が足りなくなった時だからです。
どれだけ赤字でも銀行が無尽蔵にお金を貸してくれればつぶれませんよね。

なのでもう少し詳しく内容を見てみましょう。

s2020-031_ページ_1

なんと現預金が3300億円もあり、売掛金や有価証券などのすぐに金銭化可能な金額も足してみると3800億円になる事が分かります。

続いてこちらをご覧ください。

s2020-031_ページ_2

赤線で囲んである部分が短期的に支払いが必要な科目です、その金額の合計は430億円ほどだと分かります。

3800億円持っていて、支払いが必要なのが430億円ほどですから資金的にはまだまだ余裕がありそうですね。

この決算は休園前の物ですから、続いて休園の影響を考えていきましょう。

こちらの資料をご覧ください。

画像4

4月~12月までの売上高が3900億円で、通期の予測が5030億円ですから1月~3月の売上予測は1100億円ほどである事が分かります。

3月は春休みもありますので、多少売り上げのボリュームが大きくなると仮定すると3月の売上予測は400~450億円ほどではないかと考えられます。
それが丸々なくなるのだから厳しいですね。

さらに2月中も新型コロナの影響で売り上げは落ちてしまっている可能性は高そうですから合計500億程度予測を下回るのではないでしょうか。
4月も数日間は休園があり、それ以降の売り上げも簡単には回復しないことを考えられますが今回は3月の決算までのインパクトを考えていこうと思います。

とすると売り上げの着地は4500億円ほどになりそうですね。

続いてこちらの資料をご覧ください。

画像5

4月~12月の間に売上原価が2370億円、販管費が1500億円ほどかかっている事が分かります。9分の1にして1か月で考えると、売上原価は263億円、販管費が166億円ほどになります。

内訳は分からないので正確性はありませんが、売上原価は休園するとほとんどかからなくなりますので、2~3掛けとして52億~79億円、維持管理費などは引き続きかかるはずなので販管費はある程度かかると考えて4~5掛けしてみると66~83億円として、合計してみると118億円~162億円ほどになることが分かります。
2月も不調だった可能性を考えると130~180億円ほど利益を押し下げているのではないでしょうか。

先ほどの資料の通り通期の予想経常利益は1090億円ほどのようですから、900億円ほど計上利益が残る計算になります。

つまり今期の決算では十分利益が出る決算になる可能性が高そうですね。

続いて、こちらの資料をご覧ください

画像6

前期の資料になってしまいますが、キャッシュアウトを伴わない減価償却費が380億円ほどある事が分かります。

380億円÷12か月=31億円ほどになりますので、休園中の費用の予測である118億円~162億円から引いてみると休園中のキャッシュアウト予測は87億円~131億円ほどになるという事です。

先ほどの説明の通り余裕資金が3400億円ほどありますので十分余裕がある数字だという事が分かります。

という事で、2020年3月期については利益も出るし、休園しても財務状況も余裕なのでディズニーランド好きは安心していいよって事です!!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?