ブシロードの決算に見るコアファンの作り方と未来

どうもコージです!
私は、毎日決算書を読んで企業の未来を妄想しています。
そんな私が決算書の中で面白かったポイント、未来への妄想ポイントを説明しています。

今日見ていくのは株式会社ブシロードです。
ヴァンガードなどのカードゲームやスマホゲームなどで人気を集め、近年ではアニメなどのIP(知的財産)を利用したライブを開催したり、2014年には新日本プロレスを子会社したことで話題となるなど、エンターテイメント全般を扱う企業となっています。

こんなニュースがありました。

ブシロードの純利益63%増 8~1月、音楽やプロレス好調

ゲーム開発のブシロードが16日発表した2019年8月~20年1月期の連結決算は純利益が12億円だった。前年同期は単独決算だが、実質で63%増となる。音楽ライブが大型化し観客動員数が増えた。子会社が運営する「新日本プロレス」の試合も観客動員が高水準で利益を押し上げた。

売上高は14%増の174億円だった。9月に配信を始めた「ラブライブ!」シリーズの新作や既存作の「バンドリ!」などスマートフォン用ゲームが好調だった。音楽ライブやスポーツも興行の規模が大きくなり増収だった。

ただ、新型コロナウイルスの影響で3~4月の音楽ライブやプロレスの試合は中止や延期を発表している。影響額は算定中として、20年7月期通期の業績見通しは従来予想を据え置いた。売上高は前期比12%増の360億円、純利益は横ばいの18億円を見込んでいる。
無観客になったイベントの一部はインターネット配信を実施している。

どうやら新型コロナによるイベント中止の影響が出るまでは非常に好調だったようですね。
特に新日本プロレスや、音楽ライブが好調だったようです。

最近では動画の普及に伴って裾野が広がり、非日常的なライブなどはより人気が高まっていますね、これがVRなどの発展とともにどういった変化を遂げていくのかも非常に楽しみです。

今回はそんなブシロードの今後を考えていきましょう。

それでは早速こちらの資料をご覧ください。

売上も利益も大幅に増加している事が分かります、そしてその要因はライブIP事業の好調で、デジタルIP部門は伸び悩んでいる状況だという事が分かります。
ライブIP事業は売上高は38.2%増の29億円、セグメント利益は93.8%増の5億円とほぼ倍になっています。

続いてこちらの資料をご覧ください。

広告宣伝費は減少していますが、販売促進費は3.4億円から5.1億円へと1.7億円(51.5%)も増やしていることが分かります。

ちなみに広告宣伝費と販売促進費の違いは、広告宣伝費はテレビCMなどの不特定多数に向けて宣伝するのに対して、販売促進費は商品サンプルの配布やノベルティグッツの制作配布など、より顧客に対して直接的な支出になります、目の前にいる人に買ってもらうための支出というイメージです。

続いてこちらの資料をご覧ください。

伸び悩みの状況にあるデジタルIP事業を部門別に見てみると、TCG(トレーディングカードゲーム)部門は減少傾向にある事が分かり、増加傾向にあるのはMOG(モバイルオンラインゲーム)部門とMD(グッズの企画、開発、発売)部門であることが分かりますね。

販売促進費を増加させたことがグッズの販売の増加につながっていることが分かります。

続いてこちらの資料をご覧ください。

今回のライブ事業の大幅増益の要因にアニメとなっている「バンドリ!」のライブの成功があります。
このバンドリはゲーム化もしていますから、先ほどの利用にあったMOG(モバイルオンラインゲーム)部門の好業績にも貢献しています。

つまり、ライブやグッズ販売などでリアルな接点を増やすとともに、ゲームなどもやってもらう事で時間とお金の両方を使ってもらっています。
そして人は時間やお金を使えば使うほど、その対象が好きになっていくという心理的傾向がありますから、よりコアなファンになりライブやグッズ、ゲームなどがさらに伸びていくという好循環に入っているという事です。

通常であればさらに成長が期待できる状況ですが、新型コロナの影響でイベントの中止が続いいるので、その好循環が止まってしまう可能性があるのは痛いですね。

ところでイベント中止によって、資金不足によって会社の運営に支障がでてしまう可能性などは無いのでしょうか?

新型コロナの影響を考え、金融機関から80億円を調達し24か月分の運転資金に相当する240億円をかくほしたようです。
機動的な資金調達をしていて動きが早いのは素晴らしいですね。
イベントが中止となっていますが、倒産などの心配は無いようですね。

とはいえ、中止後にお客さんが戻ってきてくれるかが大切です。
状況は違いますが、東日本大震災の時には5月の連休あたりからは反動需要で急速にエンターテイメント系が回復していきました。

今回は新型コロナの影響が収まれば、震災時のように自粛する理由もありませんから、さらに大幅な反動需要があるかもしれません。

ブシロードは資金調達もして資金は十分にあります。
つまり早めに新型コロナの影響が収まれば、大規模なイベントを仕掛ける余力十分という事です。
反動需要とマッチする事ができれば面白そうですよね!!

短期的にはイベント中止の影響で業績は悪化するでしょうが、その後は一気に業績が反転することを予測します!!

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