キリンの決算から考える今後の業績

どうもコージです!
私は、毎日決算書を読んで企業の未来を妄想しています。
そんな私が決算書の中で面白かったポイント、未来への妄想ポイントを説明しています。

今日見ていくのはキリンホールディングス株式会社です。
キリンビールや、飲料メーカーとして有名な会社ですね。

こんなニュースがありました。

キリンHDの磯崎社長、医薬品関連事業の売却否定

 キリンホールディングス(HD)の磯崎功典社長は、株主の英投資会社が求めている医薬品関連事業などの売却について「(売却すれば)会社そのものが崩れてしまう。受け入れられない」と改めて否定した。東京都内で3日に開いた事業説明会で語った。
 英投資会社は、約2%のキリンHD株を保有するインディペンデント・フランチャイズ・パートナーズ。同社は今年1月、キリンHDに株主還元策として総額6000億円の自社株買いなどを提案。資金確保のために子会社で医薬品原料を製造する協和発酵バイオなどを売却するよう求めたが、キリンHDは取締役会で反対を決議した。
 磯崎社長は説明会で「持続的な成長のために、健康関連のヘルスサイエンス事業は必要だ」と強調。少子高齢化に伴ってビール市場が縮小しているものの、健康関連の市場は拡大していると指摘した。
 今後の事業計画では、協和発酵バイオが持つ技術の活用や資本業務提携したファンケルとの協業を強化し、新商品の開発につなげる方針を表明した。2024年には健康関連分野で年150億~180億円の利益を生み出すとした。

ビールをメインにしているキリンは、日本国内市場の縮小や酒離れといった要因もあり、国内の飲料市場だけでは成長が望めなくなっています。

そんな状況の中で、次の成長戦略として医療やヘルスケア分野への投資を進めていますが、その事業を売却して自社株買いなどの株主還元を迫られていました。

しかしそれに対してキリンの取締役会は反対を決議したようですね。

今回はそんなキリンの今後について考えていきましょう。

それではこちらの資料をご覧ください。

売上は1兆9305円から1兆9413億円へと108億円ほど増加していますが、税引前の利益は1642億円から596億円へと減少し、増収減益となっていることが分かります。

主力のビール事業は増収増益となっていることが分かりますね。

では、なぜ増収減益となったのでしょうか?

続いてこちらの資料をご覧ください。

キリンはライオンというオーストラリア企業を買収していたのですが、そのライオンの飲料事業の減損が減益の主要因となっていることが分かります。

続いてこちらの資料をご覧ください。

減損損失や、持分法による投資利益、子会社株式売却益や持分法で処理されている投資の売却益などの事業投資に関する項目が多数出てきている事が分かります。
さらにその金額も数百億規模のものが多く、規模も大きいですね。

実はキリンは2000年代後半から積極的に海外進出、特にビールなどの飲料事業でのM&Aを進めています。
しかしその投資は上手くいっておらず、2011年に3000億円で買収したブラジル2位のビール会社スキンカリオールなどは、2015年に1100億円の減損を計上し上場来初赤字となる要因にもなりました。

つまり当初のニュースの、ビール以外の事業を売って自社株買いをしてくれという要求は、単純に言うとビールはまだ稼げているけど、投資は下手なんだから株主還元してくれという要求なんですね。

キリンの未来!!

飲料やビールメーカーの買収に失敗したキリンが次の投資先に選んだのが、医療やヘルスケア関連事業で、2019年4月に協和発酵バイオを子会化、2019年8月にファンケルと資本提携しています。

キリンは積極的に海外への飲料メーカーへの投資で失敗し、国内への投資へとシフトした感がありますので、今後の大きな拡大は望めなそうです。

しかしこの医療・ヘルスケア市場は国内でも市場が伸びていきます。

キリンの日本での知名度やブランド力、販売網などの資産も生かせますし逆に健康志向の高まりの中でその子会社の技術力がキリンのブランド力向上に繋がる可能性もありますので、新たな投資先としてはいいのではないでしょうか。

という事で、今後のキリンは小規模ながらも業績が向上していく事を予測します!!

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