カッパ寿司(カッパクリエイト)の決算から考える、寿司業態の強さと飲食店がすごく安く買えるからチャンスあるよって話

どうもコージです!
私は、毎日決算書を読んで企業の未来を妄想しています。
そんな私が決算書の中で面白かったポイント、未来への妄想ポイントを説明しています。

今回見ていくのはカッパ・クリエイト株式会社です、かっぱ寿司の運営をしている会社ですね。

車でかっぱ寿司の前を通ったところ、駐車場がほぼほぼ満車状態でしたのでかなり人手が戻っているなという印象を受けました。
他の飲食店同様かっぱ寿司もかなりの打撃を受けたわけですが、そろそろ人手は戻りつつあるのか、カッパ・クリエイトの業績は今後回復するのかについて考えていきましょう。

それではまずこちらの資料をご覧ください。

カッパクリエイトの2020年3月期の業績は、売上高は1.8%減の748億円、営業利益は68.1%増の10.5億円、純利益は1.4億円の黒字→2.6億円の赤字へとなっており、売上は減少しながらも営業利益は増加、しかし純利益は減少といういびつな業績ですね。

ではまずどうして売上が減少してしまったのか、営業利益は増加したのかについて見ていきましょう。

売上減少の一番大きな要因はやはり新型コロナによる影響のようですね、それ以前だと既存店売上高はほぼ全ての時期で増加している事が分かります。

さらにもう一つ売上が減少した大きな要因として、前期から含め計21店舗も不採算店舗からの撤退を行った事があるようです。
店舗数が減ったので売上が減ったんですね。

またこの不採算店舗からの撤退が上手く機能した事によって、売上高は減少しながらも営業利益は増加したという事です。

3月の売上げは大きく減少し赤字でしょうから、それでも通期では増益を果たせたという事で、改革がかなり上手くいっていたと考えられます。
それなのに新型コロナとは、なかなか厳しいですね。

続いてはなぜ純利益は減少してしまったのか見ていきましょう。

税引き前当期純利益の段階では前期の9600万円の赤字→4億5200万円の黒字へと業績が回復している事が分かります。
ではなぜ赤字になってしまったのかというと、法人税等調整額という項目が理由だと分かりますね。

ややこしい論点なので詳しくは説明しませんが、結論だけ説明すると、この法人税等調整額というのは、税効果会計という特殊な会計上の処理によるもので、カッパ寿司の将来の業績の見通しが悪化した(十分な利益の見通しが立たなくなった)事によって大幅な赤字の要因となっています。

つまり、今回の赤字の理由は将来の見通しの悪化が原因であって2020年3月の段階で考えると、税引き前で利益は増えていますし業績は向上していると考えていいでしょう。

しかし新型コロナの影響は4~6月も続いていますし、業績の見通しも悪くなっているという事ですから、2021年3月期については厳しい状況が続きそうです。

かっぱ寿司の未来!!

個人的には寿司業態の業績回復は早いだろうと思っています、ここ数年人気の飲食業態の特徴に、家では作りづらい料理を売っているというという事があります。

例えば串カツやとんかつ店などの揚げ物店などがそうですね、揚げ物は油の処理なども大変ですので家ではあまり作りたくないわけです。

いまはレシピ系の動画やテキストでも様々なサービスが出てきていて、大半の物は誰でもおいしく作る事は出来るわけです。

なので今の外食需要は作れるけど、家では作りたくないものが大きいわけです。

それは寿司もそうで酢飯を作ったり、魚を切ったりして意外と手間がかかる割にはそんなにおいしく出来るわけではないので、外食需要が大きいと考えられます。

そもそも寿司業態は持ち帰りの需要も多かったという事も含めて、かっぱ寿司などの寿司業態の戻りは早いのではないでしょうか。

という事で、新型コロナ以前は不採算店舗の撤退も上手くいっていましたし、お寿司という業態自体の戻りが早いと考え業績の回復を予測します!!

おまけ:今、飲食店が安く買える話

カッパクリエイトの財務状況を見てみましょう。

現預金や売掛金などの手元資金は84.5億円ほどある事が分かります。

一方流動負債は101.1億円ほどあることが分かります、あまり余裕のある財務状況ではないですね。

実は飲食業界はそもそも手元資金がそんなにいらない(売上と入金が同時だから)のでこれでも悪くない方の数字なんです。
だからこそ新型コロナで客足が途絶えた瞬間に、多くの飲食店の資金繰りが一気にが厳しくなりました。

さて多くの飲食店が資金繰りに苦労し始めた事により、M&Aサイトなどを見るとかなり格安で売りに出されています。
例えば1000万円内装に使った店舗とかを数十万円とかで売りに出していたりします。

それはどうしてでしょうか?
こちらの資料をご覧ください。

敷金及び保証金が48億円もある事が分かりますね。
通常飲食店を賃貸で行う際には、賃料の12か月とか15か月分とかの保証金を預けることが多いんです。

そうです資金繰りに困った所は、店舗を手放してこのお金を回収したいわけです、だからかなり割安で売りに出されています。

また、お店を潰してしまうと内装を飲食用にいじっていますから現状復帰費用などがかかり、退店費用でかなりの額が失われます。

という事で出来る事であれば、店舗をそのまま売却してしまいたいわけです。

なので内装に1000万円使って真新しい店舗などもかなり安い価格で売りに出されているんですね。

という事で、飲食店を始めたい方は居ぬき物件にチャンスが来ているかもしれませんよって話でした!!

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