大戸屋の決算に見る、フランチャイズ店が減少し業績悪化する可能性

どうもコージです!
私は、毎日決算書を読んで企業の未来を妄想しています。
そんな私が決算書の中で面白かったポイント、未来への妄想ポイントを説明しています。

今回見ていくのは株式会社大戸屋ホールディングスです。
社名の通り定食屋さんの「大戸屋ごはん処」をチェーン展開している企業ですね。

さてこんなニュースがありました。

<JQ>大戸屋HDが4%安 定食チェーンの業績低迷、傘下の社長退任で

(13時55分、コード2705)大戸屋HDが3日続落している。一時、前日比81円(4.3%)安の1819円まで下落した。傘下の定食チェーン大戸屋(東京)の山本匡哉社長が3月31日付で退任したと一部メディアが報じた。新型コロナウイルスの感染拡大で外食産業の収益環境が一段と悪化するなか、先行きを懸念した売りが膨らんでいる。
4月1日からは持ち株会社である大戸屋HDの窪田健一社長が大戸屋の社長を兼務し、経営の立て直しを図る。同社は日経QUICKニュースの取材に対し、「社長人事に関する報道は事実」(広報担当)とした。大戸屋HDは2月28日、2020年3月期の連結最終損益が5億3000万円の赤字(前の期は5500万円の黒字)と、01年のジャスダック上場以来初の赤字になる見通しだと発表していた。
市場では「新型コロナによる外出自粛などの影響が本格化する3月以前から同社の業績は厳しく、経営者が責任をとるのは自然」(auカブコム証券の河合達憲チーフストラテジスト)との見方がある。そのうえで同氏は「3月以降の月次売上高は一段と悪い数字が予想される」(同)と話し、株価は軟調に推移しそうだとみていた。

大戸屋は01年の上場以来初の赤字になる見通しとなっており、その責任を取ってか社長が退任したようです。
新型コロナの影響もあり外食チェーンは厳しい状況にあります、大戸屋のような単身者が結構行くような定食店はそこまで、売上が下がらないのではないかと思っていましたが、影響は大きいようです。
コンビニやスーパーでお弁当買って家で食べているという事でしょう。

今回は、大戸屋の今後を考えていきましょう。

まずこちらの資料をご覧ください。

2019年4月~2019年12月の時点で、売上は194億円から186億円へと8億円ほど減少しており、営業利益に関しては3.2億円から2.2億円の赤字へと5億円近くも減らしている、減収減益であった事が分かります。

ニュースにもありましたが、新型コロナの影響が出る前の時点ですでに業績不振に陥っていたようですね。

では、なぜ減収減益となり上場来初の赤字予測となってしまったのでしょうか?

多くの飲食店がそうであるように、食材・人件費が高騰している影響を受けているようです。

その他の要因として、さんまの不漁によりさんま定食が予定通り販売できなかった事や、台風などの自然災害の影響で営業時間が短縮されたことなどの影響があったようです。
また、この決算にはまだ反映されていませんが2、3月は新型コロナの影響を受けています。

不漁や自然災害、新型コロナなど一見すると一時的要因なので回復しそうな気がしますが、そのようには考えない方がいいでしょう。

例えば台風などの自然災害は地球温暖化の影響で今後も大型化が予測されていますし、新型コロナがパンデミック化した事についても、グローバル化して人の往来が増えた事が大きな要因の1つ(以前であれば武漢の風土病で終わっていた可能性もある)だと考えられていますから、今後も同じような新型ウイルスが猛威を振るう可能性は十分にあります。

みなさん感じていると思いますが現在はものすごい速度で全てが変化していて、もちろんその影響は、自然や環境にも及んでいます。

私たちを取り巻く環境から「例年通り」という価値観は捨てたほうがいいでしょう。

なので大戸屋のケースで見ていくと、不漁や大型台風、新型コロナなどは一時的要因として片付けるのではなく、同じような要因や想定していないような別の要因でまた経営にダメージを受けるリスクは考えておいたほうがいいです。

大戸屋の未来!!

こちらの資料をご覧ください。

実は大戸屋は直営店が大きな赤字でそれをフランチャイズ事業で補っている形だという事が分かります。

2019年12月時点での、国内大戸屋の直営店は145店舗、フランチャイズは202店舗でのようで、フランチャイズのロイヤリティーは売上の5%のようです。

つまり直営店の売上103億円で、フランチャイズの売上57億円ということから考えると、フランチャイズの売上の中にはロイヤリティー以外にも、材料の卸なども含まれていると考えられます。(フランチャイズを運営している場合、ロイヤリティーのみを売上としている場合と、それに付随するサービスを提供してそれも売上としている場合があります)

つまり、フランチャイズ店は売上の5%分を支払い、材料の仕入れにもコストを上乗せされているわけです。

本部が大量に仕入れたほうが仕入れ値は安くできるので、単独で仕入れるよりも高くなると言いたい訳ではありません。

何が言いたいかというと、直営店が儲かっていないのに直営店に比べて多くのコストを払っているフランチャイズ店は儲かっていない可能性が高いという事です。

つまり、自然災害や新型コロナなどの不振は一時的要因ではないと考えたほうがいい以上、今後もフランチャイズ店は利益を出す事が出来ずに店舗数が減少していく可能性が高いという事です。

店舗数が減少すると売り上げ規模に比例して増減するロイヤリティーは大きく減少します、これは現在の大戸屋の収益を支えているフランチャイズ事業が一気に悪化していくという事です。
そうなると、もう大戸屋の業績の悪化は止まらないでしょう。

フランチャイズ店の店舗数の減少が起き始めるかに注目です!!

今後フランチャイズ店舗数は減少し、収益性は回復せずに、さらに大きく業績が悪化する事を予測します。

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