2月26日上場colyの決算から考える今後の業績

どうもコージです! 私は、毎日決算書を読んで企業の未来を妄想しています。 そんな私が決算書の中で面白かったポイント、未来への妄想ポイントを説明しています。

今回取り上げるのは株式会社colyです、この会社は2021年2月26日に上場したばかりの企業となっています。
今回はcolyとはどんな会社なのか今後がどうなっていくのかについて考えていきましょう。

それではまずは事業内容から見ていきましょう。

まずcolyは女性向けのエンタメ市場でスマホ向けのモバイルオンラインゲームを軸に事業を行うコンテンツメーカーだとしています。

ゲーム制作をメインとしている企業だという事ですね。

現状はスタンドマイヒーローズや魔法使いの約束といった、女性向けのキャラクターコンテンツを軸としたゲームを提供しており、そのIPを利用して物販なども行っている企業となっています。

なのでコンテンツメーカーといっている事からも分かる通りで、他社のIPを使ってゲーム制作を行っている企業ではなく、IPから制作している企業だという事です。

そして2016年1月期~2020年1月期までの年間の平均売上高の成長率は122.8%となっており非常に大きく成長を続けている企業です。

2021年1月期の通期予測に関しても売上高は84.3%増61.9億円、営業利益は626%増の19.9億円、純利益は570%増の13億円となっており、今期も大きな成長を続けている企業だと分かります。

今期の成長に関しては2019年11月にリリースした、魔法使いの約束というゲームがヒットし前期の1.7億円の売上から51億円へと大きく成長する見通しだという事が大きな要因だと分かります。

これまでの主力のスタンドマイヒーローズが17.3億円の売上の見通しですから、過去最大級のヒットとなっている事が分かりますね。
会社の成長とともに製作費も増えているはずですから、そんな中で作るコンテンツの売上もしっかり拡大しているという事で、事業展開は上手くいっているようです。

また女性向けのコンテンツ市場の特徴として、MD(グッズ売上)が大きいとしていて、コンテンツの成長とともにMD比率も上昇し現在は25%まで上昇したとしています。

グッズなども売れているという事で、IPとしての価値も高まりを見せていっているようです。

2020年2月~10月までの実績としては売上高は40.3億円、営業利益は12.1億円、純利益は7.9億円となっています。
営業利益率は30%と利益率も高く、現状でも十分に利益が出ているという事で事業としてもしっかりと回っているようです。

colyの特色としては従業員の72.8%が女性社員で平均年齢も28歳となっていて若い女性が中心の企業となっています。

さらに内定倍率も非常に高いようで、100倍との事ですからcolyのコンテンツが好きな方が入ってきているという事で、女性向けのゲームやコンテンツを制作していますからユーザーに感覚の近いモチベーションの高い社員が作っているという事でしょうから、その辺にもヒットの要因があるかもしれません。

スマホゲームを制作する企業でこれだけの女性比率となっている企業はほとんどないでしょうし、そこにモチベーションを持っている社員が入社して取り組んでいる組織も少ないでしょうからその点は非常に優位性がありそうです。

また国内スマホゲーム市場に関しては2021年度は前期比100.2%の1兆2720億円になる見通しのようです、スマホゲーム市場に関してはほぼゼロ成長となっていてかなり成熟した市場となってきたようです。

しかしそんな中で女性向けゲーム市場というのは市場規模自体は800億円ほどとまだまだ小さいものの、700億円から15%の成長となるようで成長市場のようです。
市場が成長するという事はもちろん業績の成長も期待できるという事ですね。

中華圏に関しても女性ゲーム市場は拡大しているようで、2018年~2023年の年間の平均成長率は18.4%と大きな成長を見せいているようで、今後は文化的に共通している市場である東アジア全域へと領域拡大を検討しているようです。

中華圏の市場は非常に大きいですから今後は領域拡大が上手くいくかにも注目ですね。

ある程度スマホゲーム市場が成熟してきた中でこれからはより趣味の細分化が進んでいく事になるでしょうから、スマホゲームを提供している企業を見る際にもスマホゲームという市場でとらえていくよりも、もっと細分化した市場でとらえてみていくのが重要そうです。

なのでスマホゲームというくくりではこのcolyは成長市場ではありませんが女性ゲームというのは成長産業で戦えているという事ですね。

また、今後に関してはグッズ、アニメ、書籍、漫画、舞台などメディアミックスを通じた事業展開を重要視している事が分かります。

またcolyでは、10年以上続く作品作りというコンセプトを上げています。

スマホゲームを行う企業の課題としては、サイクルが早い事と当たり外れがあり不確実性が高いというところにありますよね。
とくにゲームなどではデバイスの変化や、テクノロジーの進歩によってもコンテンツが陳腐化していってしまいますので、なかなか長期化することは難しいです。

一方でマンガやアニメなどでは機能面の変化が小さいですよね、なのでゲームを起点としてメディアミックスによるコンテンツの長期化を図るという事でしょう。

10年前のスマホゲームは遊べたもんじゃないけど、マンガやアニメは楽しめるからIPの長期化が期待できるよねって話です。

そしてIPの長期化のためにも特にテレビアニメなどは重要だと考えられます、以前にゲームのスタンドマイヒーローを放送していた放送時期にはゲームのDAUが28.5%上昇したようです。

アニメはゲームとの相乗効果がありますし、アニメファンは非常に多いですからその後のグッズ販売や舞台などのメディアミックスでの展開へも繋げていきやすくなるはずです。
ヒットアニメが出てくるとゲームも含めて大きな成長が期待できますから、その点は非常に注目です。

さらにノウハウを生かした他社IPへの進出も考えているようです、強いIPを利用すればある程度見通しは立ちやすいですから、他社IPを活用してゲーム事業をある程度安定させつつ、自社IPに関しては10年単位で考えてメディアミックスで展開することでIPの価値をじっくり高めていこうとしていると考えられます。

この他社IPで定期的にコンテンツを出してある程度業績を安定させて、自社IPへ投資して成長していく事が出来る仕組みを作って行ければゲームという不確実性が高い事業内容でも安定した投資が出来るようになりますので成長の期待が高まりそうです。

という事で、会社の成長に伴いコンテンツ自体の規模も成長して上手くいっています。さらに制作側もモチベーションの高い、ユーザーに近い女性がメインだという事でその点は他社とは大きく違う点でしょうから優位性がありそうです。

しかしゲーム事業は売上が安定していませんので今後に関してはメディアミックスを進めて長期的なコンテンツやIPを制作できるかが重要になってくると考えられます。

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