スノーピークの決算から考える市場が拡大し業績も拡大する話

どうもコージです! 私は、毎日決算書を読んで企業の未来を妄想しています。 そんな私が決算書の中で面白かったポイント、未来への妄想ポイントを説明しています。

今回見ていくのは株式会社スノーピークです、テントなどのアウトドア商品が人気の会社ですね、最近はキャンプブームという事もあり好調となっている事も考えられる企業です。

今回はそんなスノーピークの今後について考えていこうと思います。

それではまずこちらの資料をご覧ください。

売上高は8.4%増の114.2億円、営業利益は0.4%増の7.9億円、経常利益は3%減の8億円、純利益は9.7%増の5.6億円となっており、売上高は大きく増加しつつも営業利益は微増、経常利益は減少、純利益は増加となかなかややこしい業績となっています。

ではどうしてそのような推移となったのかというと、営業利益の伸びが利益についてこなかった理由としては、販管費が増加した事だと分かります。

一方経常利益が減少していた理由としては、前期には営業外利益として補助金収入が5432万円あった一方で今期は1261万円と4千万円以上減少してしまった事が経常利益が減少してしまった要因だと分かります。

また純利益が増加していた理由としては、特別利益として補助金収入が2.6億円ほどあったからだと分かります。
これに関してはコロナによるものだと考えられますね。

という事で、経常利益が減少していた事や純利益が伸びていたことに関しては補助金収入という特殊な要因が理由だという事ですのでこの点は考える必要はなさそうです。

さて続いてはもう少し詳しく、業績の推移理由に関してみていきましょう。

まず国内既存事業については4~5月には店舗やキャンプフィールド事態も休業となってしまった影響で大きく売上が減少してしまった一方で、6月以降はアウトドアやレジャー需要の高まりに合わせて昨年を上回る水準まで回復したとしてます。

海外事業に関してはこちらも新型コロナの影響は見られたものの、前期の売上を上回る実績となったようです。

そこにはやはりソーシャルディスタンスを確保できるレジャーとしてキャンプの需要が増加した事が影響しているようです。

進出している各国の売上げを見ても全ての地域で売上が増加している事が分かります。

新型コロナの影響というのは世界中で出ていますから、そんな中で日本国内だけではなく世界中でソーシャルディスを保てるレジャーとして、キャンプ需要が増加しているという事で国内外両事業ともで好調が期待できますね。

また、直近の3Q(7~9月)の業績を見てみると売上高は前期比32%増で11.7億円増加していますし、営業利益でも66.5%増で2.1億円の増加となっていてかなり業績が伸びている事が分かります。

第3四半期の累計で見ると売上が8.8億円の増加、営業利益では330万円の増加となっていますので、新型コロナによる悪影響をこの第3四半期で全て取り戻しているという事ですね。

今回の決算では営業利益は微増にとどまっていましたが、この3Qの物凄い伸びから考えると、季節要因として、冬が近づくにつれキャンプ用品の需要自体が減少してしまうとはいえ、10月~11月などはまだまだ好調だと考えられますので、さらに大きく業績が伸びる事が考えられますね。

実際に月次の売上を見てみると、10月は前期比157.1%、11月は前期比139.2%とかなり好調が持続している事が分かります。

また、今回の決算では販管費の増加によって営業利益はそれほど伸びていませんでしたが、その要因としては店舗や拠点数の増加による人件費の増加や、地代家賃の増加だと分かります。

出店を積極的に進めているようですから、その点から考えても売上がまだまだ伸びていきそうです。

販路別の売上げに関してみてみると、インストアでは売上が増加しているものの、直営店の売上は減少してしまっている事が分かります。

実はスノーピークでは都心部を中心に出店を進めていたという事もあり、都心部の店舗では来客数が戻っていないという事でまだ完全な回復とまでは至っていないようです。

一方既存店だけの売り上げを見てみると、直営店だけでなく、売上が伸びていたインストアに関しても前年同期比で減少してしまっている事が分かります。

という事はインストアの売上伸びていたのは、出店数の増加が影響しているという事ですね。

しかしこのインストアに関しては、郊外店舗が多いという事もあり3Qでは既存店売り上げでも前年比プラスに転じていて、6億円→6.8億円へと伸びています。

となると4Qでは増店の影響も含めて、好調となる事が期待できそうです。

また、キャンプ需要が高まり新規キャンパー向けのエントリー商品が好調で、7月には前期比30.4%増、8月には49.1%増、9月には前期には消費増税の駆け込み需要があったにもかかわらず11.1%増とかなり伸びている事が分かります。

ポイントカードの会員数を見ても大きく伸びていて、前年同期には40万人ほどだったところから9月末時点で49.9万人となっています、もちろん全員が新規のキャンパーではないでしょうが数万人単位でキャンパーが増加しているという事が考えられますね。

となると当然市場規模が拡大している、パイ自体が大きくなっているという事ですから、今後も長期に渡って好影響が期待できます。

スノーピークは今後の成長戦略として、客数の増加と客単価(生涯価値)の増加を上げています。

となるとこういった新規キャンパーを取り込み生涯価値の増加を図っていくという事でしょうから、そういった取り組みが上手くいくと長期的な好調に繋がりますね。

そしてその生涯価値増加のためにもモノ消費からコト消費への移行をかかげています。

コト消費というのは単純に言うと、体験価値を伸ばしていくよ的な話で物を売るのでは無く体験を売っていくよ的なここ数年は非常に重要視されている事ですね。

具体的にはどのような取り組みを行っていくのかという発表はありませんでしたので、実際に店舗などでの変化や今後の取り組みを見て評価していく必要がありそうです。

また客数増加のためには、今後更なる海外展開を行って行くようです。

海外展開に関しては、全世界的にキャンプ需要が増加していてパイ自体が増加しているという事で、取れる市場は大きくなっていますから、どこかの国で大きく人気に火が付くような事があれば面白そうですね。

まだまだ海外事業では各国とも規模は小さいですが、アメリカやイギリスなどの大きな市場にもすでに進出していますので、ゼロから進出するというよりは伸びていく可能性は高そうです。

という事で、スノーピークは3Qから大きく業績が回復していますし、4Qの月次も好調で国内外で市場自体が伸びています。
やはり業績が伸びる事に最も必要なのは成長市場にいるという事ですから、そういった点から考えても好調が続くことを予測します!!

また今後は海外でさらに大きな市場をつかめるかにも注目です。

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