ソフトバンクがアームをエヌビディアに売却するスキームと400億ドルは貰えない話

どうもコージです!
私は、毎日決算書を読んで企業の未来を妄想しています。
そんな私が決算書の中で面白かったポイント、未来への妄想ポイントを説明しています。

今回はソフトバンクが保有するアームの株式をエヌビディアへ売却する事を決めたとのニュースがありましたのでそのスキームについて3分で解説していこうと思います。

それでは早速こちらの資料をご覧ください。

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ソフトバンクは2016年9月に310億ドルで取得したアームの全株式をエヌビディアに最大400億ドルで売却するようで、売却には各国で規制当局の承認を得たりする必要があるため18ヶ月かかるとしています。

アームへの投資は最大で90億ドル(約9500億円)ほどの儲けになるようです、こうなれば投資としては大成功ですね。

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そしてその400億ドルがどのように支払われるのかというと、まず契約時点で20億ドル支払われます。

その後クロージング時(18か月後)に100億ドルが現金で、215億ドルがエヌビディアの株式で支払われます。
しかしそのうち10億ドルは補償義務のためのエスクロー対象(何かあった時の補償のために第三者に預けておくお金)となるようです。
アーム譲渡して問題なさそうだったら渡すよってことです。

ここまでの合計は335億ドルほどですね、どういうことなのかというと、先ほど「最大」400億ドルとあったように、50億ドルに関してはアーンアウト(出来高みたいな目標達成出来たら支払われるやつ)で支払われるようです。

さらに15億ドル分はアーム従業員に対する株式報酬のようですから、ソフトバンクが受け取れるのは385億ドルが最大という事ですね。

400億ドルで売却といっても400億ドルがソフトバンク側に入るわけではないようですねミスリード的な報道も多いのでここは注意点でしょう。

また、先ほどアームへの投資は最大で90億ドル(約9500億円)の利益と書きましたが、実際は最大で75億ドル(約8000億円)の利益だという事です。

50億ドルは出来高的な奴で10億ドルは問題が起きないか預けておくお金ですから最低だと325億ドルしか手に入らないという事ですね。

310億ドルの投資ですから325億ドルとなると4年で4.8%程度の値上がりですから大きな成功とは言えませんね。

なので譲渡後にアーンアウト(出来高的な奴)が支払われるかが重要になりますので譲渡後にも注意が必要です。

またこの対価としてのエヌビディア株式の取得によって、ソフトバンクは6.7%~8.1%ほどを持つ大株主となるようです。

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こちらの資料を見てみると分かりますが現在の筆頭株主が7.8%ですから、ソフトバンクがエヌビディアの筆頭株主になる可能性があるようです。

さらに3位までの大株主は全て資産運用会社で経営に大きな影響を及ぼすことは無いでしょうから、ソフトバンクはエヌビディアに対してそれなりに大きな影響力をもつ存在になりそうですね。

という事でざっくりと説明してところで今回は以上です!!


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