アスクルの決算に見る今後と減損の効果

どうもコージです!
私は、毎日決算書を読んで企業の未来を妄想しています。
そんな私が決算書の中で面白かったポイント、未来への妄想ポイントを説明しています。

今日見ていくのはアスクル株式会社です。
法人向けに事務用品などのEC販売を行うアスクルを運営しており、個人向けECとしてはLOHACOを運営している、ECをメインとする会社です。

こんなニュースがありました。

アスクル6~2月純利益3.7倍 「ロハコ」赤字縮小

アスクルが17日発表した2019年6月~20年2月期の連結決算は、純利益が前年同期比3.7倍の41億円だった。主力の法人向け通販で、金庫やコンテナなど採算の良い商品の品ぞろえを広げた効果が表れた。消費者向けネット通販「ロハコ」事業もヤフーの通販サイト「ペイペイモール」でのキャンペーンが顧客獲得につながり、赤字幅が小さくなった。

売上高は4%増の2994億円だった。法人向けは全体の8割を占め、ネット広告に力を入れたことで新規客が増えた。

20年5月期の通期業績予想は据え置いた。売上高は4%増の4040億円、純利益は前期比12倍の54億円を見込んでいる。直近では新型コロナウイルスの影響で衛生用品などの欠品が続いている。取扱品目の2割が中国製で今後は調達が不安定になる可能性があるため、調達先を広げるなど対策を進める。

どうやら純利益が3.7倍となる41億円、売上高は4%増の2994億円となる好決算を発表したようです。

今回は好調のアスクルの今後を考えていきましょう。

ニュースにもありましたが売上が4%増加し利益は3.7倍になっているわけです、売上の伸びに対して利益の増加が大きいですよね、それはどうしてでしょうか?

それでは早速こちらの資料をご覧ください。

大幅増益となった要因は基本的には売上高の上昇ですが、その他の大きな要因に販管費の減少がある事が分かります。

基本的に売り上げが増えればある程度は販管費も増えますが、売上は増加しているにも関わらず販管費は657億円ほどから646億円へと10億円近く減少しています、それはどうしてでしょうか?

こちらの資料をご覧ください。

販管費減少の理由は、①減価償却費が27億円から22億円へ減少②配送運賃が182億円から170億円へ減少している事のようです。

減価償却費の減少に関しては、赤下線部にある通り「ASUKURU Value Center 日高」という物流センターを減損したことが理由だと分かります。

このnoteでも何度か取り上げていますが、減損とは基本的には費用の前倒しです、つまり今回減少した分の減価償却費5億円分は、減損した前期に前倒しで計上してあるよってことです。
だからこうして、今期の業績を見ると回復しているのですね。

もちろんただの前倒しなので、物流センターへの投資をトータルの期間で見た費用は変わりませんからその点は注意が必要で、減損を行うとは投資に失敗したということです。

こちらの資料をご覧ください。

物流コストが増加していく中で、②の配送運賃が182億円から170億円へ減少した理由は1箱当たりの売り上げ単価を増加させることに成功しているからのようですね。
アスクルは自社で物流を整備していますから、1箱当たりの単価を向上させていくのは利益へのインパクトが大きいです。

さらにひと箱ecoという、ひと箱に上手く収まるなセット注文を割安に設定する施策が上手くいってるようです。

続いてこちらの資料をご覧ください。

BtoB(法人向け)事業の売上は毎期成長しており、ロングテール戦略が当たっていることが分かります。
ちなみにロングテール戦略とはアマゾンの有名な戦略で、単純に言うとなんでも売っている戦略です、リアルな店舗だと売り場面積の問題がありますから置けない商品がたくさんありましたが、アマゾンなどのECは売り場面積に上限がありませんのでなんでも見つけられる事でシェアを伸ばしていきました。

BtoBでは業界によって必要なものも違いますし、すぐには手に入りにくいものを扱う事も多いですからロングテール戦略は非常に有効そうですね。

アスクルの未来!!

新型コロナの影響もあり、外出が減りECは増加傾向にありますのでアスクルも伸びている可能性はありそうです。
いままでECを使っていなかった層が新型コロナの影響でECを使い始める可能性もありますから一気に成長する可能性もあります。

配送コストの低下やロングテール戦略など打っている施策が当たっていますし、減損の影響による減価償却費減少は今後も続きますから、今後も増益となる事を予測します!!

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