どうして自己株式を買うと株価って上がるの?

どうもコージです!
私は、毎日決算書を読んで企業の未来を妄想しています。
そんな私が決算書の中で面白かったポイント、未来への妄想ポイントを説明しています。

今日は番外編として、意外と知らない「どうして自己株式を買うと株価って上がるんだっけ?」について説明していこうと思います。

投資家の方でも結構、自己株式買い発表したら株価上がるけど、それがなぜかは知らない、自己株買うとどういう変化が起こるか分かってないって方多いです。

まず、「そもそも株式って何?」「自己株式買いって何」って事が分かっていないと理解できないと思うので、株式についてかなりざっくり説明します。
株式とは会社の持ち分です。100株発行している会社の株式を40株持っていたらその会社の40%は自分の物だって感じです。(詳しくはこちら

そして自己株買いとは、その株式を発行している会社自体が、自分の会社の株を買うという事です。
また、一つ大切なのが自分で持っている株については株式の権利がなくなるという事です。
先ほどのように100株発行していて、40株持っている会社が自己株式を50株買ったとします。すると50株中40株もっていることになるので一気に80%が自分の持ち物になります。

という事で最速で説明を終えて、早速自己株式を購入するとなぜ株価が上がるのかについて説明していこうと思います。

株価というのはざっくり説明すると、今現在の企業の価値+将来得られる期待利益で決まります。
単純な今現在の価値ではなく将来への期待が株価に反映されるという事です。

例えば今現在、100株発行していて、資産200円、将来100円利益を得られると期待されている会社があったとしましょう。

この会社の株価を考えてみましょう。

自己株式買いをしない場合
200円÷100株で今現在の会社価値に対する持ち分は2円です。
100円÷100株で将来の利益の、1株当たりの取り分は1円ですね。
そうすると株価は
(今の価値2円)+(将来の取り分1円)=3円になるわけですね。

自己株式買いをした場合
自己株式50株を買うとします。
今現在の株価は3円ですから、3×50で150円で50株買うことになるわけですね。そうすると会社には200円ありますから、200-150で50円残ることになります。
50円÷50株で今現在の会社の価値に対する持ち分は1円に減ってしまいます。
将来の期待利益100円÷50株で、1株当たりの取り分が2円に増えるわけです。

ここは重要ポイントで、自己株買いをすると将来の利益に対する取り分が増えるのです。

そうすると株価は
(今の価値1円)+(将来の取り分2円)=3円になるわけですね。

あれ?自己株買いしても株価上がらないぞ!!
そう思われた方は多いのではないでしょうか?

その通りで、本質的に自己株式を買ったからといって株価が上がるわけではないのです。

ではなぜ上がるのかというと、経営指標が向上するとかあるのですが、それは正直とってつけてような理由です。
適切に評価されていなかった将来への期待が、その取り分が増えることによって適切な評価がされることはあります。
また、確実に株式に対する買いが入る事が確実であり、株式の数も減ってしまうので、需要と供給の関係が理由でもあります。


しかし、一番の理由は空気です、自己株式買ったら上がるから上がるんです!!
嘘のようですが、本当にこれが一番の理由です、株式市場はいつでも変動する理由を探していますから自己株買い=上がるという材料が必要なわけですね。

そして大切なのは、先ほどの説明の通り将来の利益に対する取り分が増えるというのが自己株買いのポイントでした。
逆に言えば赤字になってしまった時には、赤字の取り分が増えるという事なのです。

業績不調の会社が株主還元として自己株買い発表して株価が一時的に回復することがありますよね。
よくよく考えると、赤字の取り分増えるわけですからそれって株価下がらないとおかしいわけです。

実際にそういった会社は一時的に株価は上がりますが、長期的には下がっていく事が多々あります。

「この自己株買いって本質的にはどうなんだっけ?」
そう考えることは、とても大切なので注目してみていきましょう!!

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