リンガーハットの決算に見る今後

どうもコージです! 私は、毎日決算書を読んで企業の未来を妄想しています。 そんな私が決算書の中で面白かったポイント、未来への妄想ポイントを説明しています。

今回見ていくのは、株式会社リンガーハットです、長崎ちゃんぽんで有名なリンガーハットを運営している会社ですね。

こんなニュースがありました。

リンガーハットの前期、8年ぶり最終赤字 新型コロナで

リンガーハットが20日発表した2020年2月期の連結決算は、最終損益が2億1千万円の赤字(前の期は8億3700万円の黒字)だった。従来予想の5億5000万円の黒字を下回り、2012年2月期以来8年ぶりに最終赤字に転落した。新型コロナウイルスの影響を受け、将来の収益性が落ちた店舗の減損を計上した。21年2月期通期の業績見通しは「未定」とした。

期末配当は5円と前の期の7円から減配となった。今期の配当予想は未定とした。

同社は19日時点で、国内802店舗中、ショッピングセンター内など221店を休業、395店舗を時短営業している。特別損失額が従来想定していた8億円から14億円に増加した。

売上高は前の期比1%増の472億円と、従来予想(2%増の480億円)を下回った。2019年8月以降、370円(税抜き)の「薄皮ぎょうざ定食」やちゃんぽんの小サイズの提供など低価格の商品を増やした結果、客単価が減少した。一方、路面店舗の夜間帯などで客足が想定を下回った。

どうやらリンガーハットは8年ぶりの赤字となってしまったい、2021年2月期の見通しに関しては未定という発表をしたようです。

今回はそんなリンガーハットの今後について考えていきましょう。

まずはこちらの資料をご覧ください。

売上高は469億円から472億円へと0.7%の増加となっていますが、営業利益は23.9億円から15.4億円へと35.1%の減少となっています。
そして当期純利益はニュースの通り8.3億円の黒字から、2.1億円の最終赤字となっています。

それではどうして増収ながらも減益となってしまったのでしょうか?

店舗数は、2020年2月期には17店舗(2.1%)増加している事が分かります。

また、人件費は155億円から159億円へと2.9%ほど増加していることが分かります、さらに固定費も70.5億円から75.2億円へと6.6%ほど増加している事が分かります。

つまり売上0.7%の増加は店舗数の2.1%の増加が要因であり、店舗数の増加に売上の増加がついてきていないという事です。

しかし、店舗数2.1%の増加に対して人件費は2.9%、固定費は6.6%の増加と店舗数の増加以上に費用が増加してしまっていることが分かります。

店舗数が過剰になってしまったことが、増収減益の理由という事ですね。

リンガーハットの未来!!

店舗の減損を行ったのにも関わらず、建物が228億円から246億円へと18億円の増加となっており、土地は48億円から64億円へと16億円も増加している事が分かります。

もちろん賃借の店舗も多いですが、自社で固定資産を買って店舗を作っている量も多いと考えられます。

新型コロナの影響があまり出ていなかった2月時点ですでに店舗が過剰気味になっていたことを考えると、3月以降はさらに業績が大きく悪化してしまう可能性が高そうです。
賃借ではないので家賃交渉も難しいわけですし、現状不動産を買う人もほぼいないでしょうか、売却も難しいでしょう。

そうなってくると、不動産による固定費が重荷となって収益性がさらに悪化していく可能性が高そうですし、今後も減損リスクも高いでしょう。

さらに、不動産の購入により借り入れが合計で14億円ほど増えていることが分かります、新型コロナの影響で売上も減少しているので資金繰りも大変になってくる可能性もあります、今後は不動産価格の下落も予想されていますから、不動産を担保にした借り入れなどがあるとその影響を受けてしまいそうですね。

店舗の収益性低下によって不動産の減損、さらに資金繰りが厳しくなっていく事を予測します!!

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