002 北のキムさんが同じ日にウラジオストクに来た。
2019年4月20日に鳥取県境港で乗船。
時化るイメージの日本海。しかし何の準備もしてなかった。想定すらしていない。
乗船して初めて、船酔いヤバイ!と思ったが、海は常時穏やかで、波ひとつない。快晴で雲もなくナギ。
車ですら読書できない私が、船内でいつでも読書ができた。
ウラジオストク到着は22日の予定だったが1日延期になった。
なんと港で一晩停泊。
先に入った船が停泊しているので入港できないらしい。
2泊した船内。韓国船籍の食事はどう説明していいかわからないが、毎回似たり寄ったり。
それが1泊増えた。動いているならまだしも港で停泊。
目と鼻の先。シベリアの不毛の大地が不気味に私を待ち受けている。下船したのちは入国審査、車の通関手続き、初めての海外での運転。右側通行。丸一日、複雑な心境と退屈を感じながら時間をつぶすことになった。
下船した日は朝から雨だった。車は通関ブローカーの方が私を乗せて宿まで運転してくれた。
船上での穏やかな天気は神様からのプレゼントだったのか。少し冷たい雨。少し寂しい気持ちになった。
翌日は雨が上がったので早速初めての運転。どんなに怖くても運転しないわけにいかない。できることなら運転したくない。自分がどれだけ事なかれ主義か痛感した。
海の先に有名な水族館がある。大好きな小学生の友達が大の海洋生物オタクだったので、写真でも撮って送ろうかと思い行ってみることにした。
途中、大きな橋が海上にかかっていた。橋上の中央にはロシア国旗となぜか北の国旗がかかっている。
夕方になって宿に戻る時、街中は渋滞。交通規制。信号を消して警官が交通整理をしている交差点もあった。ロシアのラッシュはこんなものなのかと思いながら帰路についた。
その日の夜、キムさんがプーチンさんとの会談のためにやって来たのを知った。24日夕方に特別列車で来たから、なるほどである。私が行った水族館の手前にあった極東連邦大学。ここが8年ぶりの首脳会談の会場だった。
25日午前にはプーチンさんが到着。私は海辺の公園を散策。二人の会談を見届けた?私はようやくシベリアの荒野に旅立つことになる。