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小説の裏表紙だけしか書けない作家【江戸川沿競歩】

梅雨の晴れ間には、出掛けたくなる。

神保町駅のA6番出口を上がり、

岩波神保町ビルの真下に出る。

左に曲がり、
神保町交差点を九段下方面の書店街へと進む。

行き交う人を見ると
最近、外国人観光客が増えたなと感じる。

神田一橋中通りに入り本を物色。

さあ次の書店へと振り返り、空を見上げた。

あっ…閃いたでげす。

皆さん、申し遅れました。

私、文豪に憧れて挫折した男、
江戸川沿競歩(えどがわぞい きょうほ)
と、申します。

元来、小学生の頃から作文が苦手だった私が
長編小説など執筆出来る訳がなく。

しかし、ある日思いついたのでげす。

こんな小生でも、
本の裏表紙の数行であれば書けるのではないか。

もちろん、題名までは思い付きません。

これをお読みいただいた方々に、題名やら
内容を膨らませて頂けたら幸いでげす。

何卒宜しくお願いいたします。

               江戸川沿競歩

『無題』

見た目はおじさん、頭脳は子供。 

なのに、神がかり的な記憶力を持つ。

その名も、私立探偵   【津和野 武雄】

ラジオが聴き取れない程の
ゲリラ豪雨が叩きつける夏の午後。

依頼者が5年訪れなかった
探偵事務所の扉が突然開いた。

そこに立っている姿は、

逆光でも分かる、スタイルの良い髪の長い女性。

いや…

見た目は女性、よく見りゃおじさん⁈


「私はね、傘に雨のあたる音が好き」


津和野の頭に、
1987年11月12日 木曜日…
という日が浮かんだ。

果たして、この女装家おじさんの依頼内容は!  

新橋SL広場の敷地内だけで繰り広げられる、
小規模ミステリー。

ラストは男泣きの大どんでん返し。

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