【新プロジェクト始動】『いじめの構造』の共通理解化の促進を目指し、ケース制作プロジェクトを開始します

この度、『いじめ構造変革プラットフォーム(PIT)』は、株式会社Ridilover様が展開するオンラインコミュニティ「リディ部」と協働し、『いじめの構造』の共通理解化の促進に向けた「ケース制作プロジェクト」を開始いたします。

1.プロジェクトの背景

『いじめ構造変革プラットフォーム(PIT)』は、いじめを生み、解決を困難にする組織の仕組みや慣習・空気、個人/組織間の関係性等の「いじめ問題を取り巻く構造」を問題と捉え、変革を目指す任意団体です。相互理解と協働を促進するための調査や対話の機会などの提供を通じ、変革の土壌を作っていくことを目指しています。

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株式会社Ridiloverは「社会課題を、みんなのものに。」をスローガンに、社会問題を構造化するメディア『リディラバジャーナル』や、社会問題について知り、理解を深め、議論することを目的としたオンラインサロン『リディ部』の運営をされています。

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2.何をやるのか?

今回、『リディ部』に加入しているメンバー(以下、リディ部員)の皆様とPITメンバーが協働して、『自分の学年でいじめが発生した教員』に関するケースを作成します。

具体的には、プロジェクト期間内(3か月~半年を想定)で、実際に自分の学校で教室運営に関する悩みに直面した教員の方やいじめ問題をとりまく関係者・専門家たちとの勉強会・インタビュー、またケースの書き方講座などを通じて、実際にいじめが発生をしたときの教員がおかれる状況を体験することができるケースを作成していきます。

プロトとなるケース作成後は、ケースを活用したワークショップを設計します。教員や、いじめ解決に関わっている/関心をもって取り組んでいる当事者たちに実際に取り組んでいただき、よりリアルに事例を体験することができ、相互理解が促進するようなケース・ワークショップへの改善に取り組んでいきます。

最終的には、リディラバジャーナル/PITのWeb内で無料公開し、学校内での展開は勿論、学校と保護者や地域自治会等の研修・対話の機会に使用していただくことを目標としています。

3.何故やるのか?

私たちはいじめ問題の現場、またこれまでのPITの定例会を通じて、教員や保護者、当事者といった、いじめ問題を取り巻く関係者同士の認識のギャップが、お互いのコミュニケーションを阻害し、対立を生む要因となっているのではないか、という仮説を持ちました。

例えば、「いじめに関する報告に不手際があった教員に厳罰を」という議論がおきた時の事例です。教員、保護者の皆様数十人それぞれに、「このアプローチで問題が解決しそうと思う人は挙手してください」と挙手をお願いしました。

教員で手を挙げた人はゼロ。一方、保護者の皆様は9割の方が手を挙げました。

この背景には様々な要因が絡んでいるかと思います。が、すくなくとも「いじめに関する報告における障壁はなんだろう?」という認識はお互い、大きく異なっているのだと思います。

この違いを産むのが、それぞれが置かれている状態や、できること、望むこと、といった前提となるお互いの状況の理解のズレではないか、と私たちは考えました。

そこで、お互いが置かれた状況を正しく把握し、お互い、「解決にむけてどんな助けがあれば有効にはたらくのか、どのようにして協働し一緒に問題を解決していけるのか?」を、いじめの問題が起きるより前に、事前に認識し、一緒に考える。そんな機会をつくりたいと思っています。

その一歩目として、「教員が置かれた状態を体験する」ケースの制作とワークショップの製作を企画しました。

4.プロジェクト参加者募集

今回、このプロジェクトに参加してくださる方を募集します。
参加要件はシンプル。「いじめ問題に関心を持っており、この問題の解決に挑戦してみたい」「人ではなく、その問題が起きる構造にアプローチしてみたい」、この2点です。経験などは不要。プロジェクトマネジメント、インタビュー、ライティング。集まった皆で得意な部分を分担して、進めていきたいと思っています。

是非参加をしてみたい、話を聞いてみたい、という方は、以下のフォームからお気軽に申し込みください。ぜひ皆様と会話をしながら、具体的にどうすすめていくかも含めて、一緒に決めていければと思います。

申込フォーム:PIT×リディ部 いじめ問題・構造化プロジェクト―ケースをつくってみよう―参加応募フォーム

※申込時点では不要ですが、活動参加にあたり、オンラインコミュニティ『リディ部』様への参加が必要となります。あらかじめご了承ください

5.今後のスケジュール

今後、キックオフとして、11月後半~12月初旬に、『ケーススタディについて学ぶ』勉強会及び今後の進め方や分担を決めるキックオフイベントを予定しています。その後、現在のいじめ問題に関わる状況を知る勉強会を行いながら、並行してインタビューの実施・ケースライティングの準備などをすすめていきます。都合なども、参加者の皆様と相談しながら進めていきたいと思っています。欠席の方へのフォロー方法などもあわせて準備していきますので、予定に不安のある方もお気軽にご相談ください。

6.最後に

『いじめ問題を、みんなで考えてみたい』、これが今回のプロジェクト企画にあたって大切にしたテーマの一つです。実際に当事者として、あるいは見る、聞く…おそらくは皆が一度は学生時代に触れることがあったであろう社会課題の一つ、いじめ。でも、多くの人が、いつしか記憶の中に流れてしまい、思い出すことも少なくなってしまっているかもしれません。実際に、次にこの課題に触れる時は、自分の子どもが当事者になった…そんなケースも多く耳にします。

当事者になったとき。私たちも課題に取り組む人間として、当事者の一人と自覚していますが、その時はすでにこの構造、システムに取り込まれています。対立を生み、協働を阻む、そんな一員としての視点が身についてしまっているかもしれません。

だからこそ、この問題を、当事者の方は勿論ですが、現在は当事者ではない方々と一緒に、フラットな目で整理をして、対話を生む相互理解につながる素材をつくってきたいと思っています。

私たちにとってもチャレンジングな取り組みではありますが、ぜひ皆様といっしょに挑戦をしてみたいと思っています。

ご一緒できることを楽しみにしています。

いじめ構造変革プラットフォーム(PIT)
谷山/竹之下





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