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才能の壁

アスリートは誰しも自分の才能について考えたことがあると思います。ただ、才能と言っても色々あるため、自分にどんな才能があるかを言葉で説明するのは難しいかもしれません。

私の場合は才能と言えばシンプルに「到達しやすいレベル」がその一つの基準だと考えています。私だとそれは「3000m10分10秒、5000m17分30秒」くらいだと感じています。

私は中学1年の冬に3km10分16秒、5km17分45秒で走りましたが、そこまではタイムトライアルやインターバルなどを適当にこなしていくうちに何となく到達できました。しかし、そこから先は明らかに成長が鈍化し、少し練習がうまくいかないだけですぐにこのラインまで後退することに気付きました。このことから、「3000m10分10秒、5000m17分30秒」付近は自分にとって『才能の壁』なのだと認識するようになりました。

『才能の壁』の手前まではもともと持っている能力を目覚めさせるだけで十分ですが、壁を超えるためには自分で能力を作り上げていく必要があると感じます。全国トップレベルの才能のある選手なら壁が3km9分や5km15分付近にあったりして信じられないようなスピードで成長していきますが、多くの人にとってはそれは普通ではありません。だからこそ私は練習で走力を「積み上げる」「作り上げる」重要性に早い段階で気付き、模索するようになったと思います。そして、正しいトレーニングのノウハウは才能がない人にこそ必要なものだと考えています。

それなのに、最近は上辺だけ一流選手を真似したメニューを多用するランナーが増えたように思います。実際のところ、ある程度のレベルまでは何をしても速くなりますが、『才能の壁』から先はきちんと中長距離走のトレーニング理論に基づいたメニューを組まないとうまくいかないように感じます。そういったリテラシーがもっと広がればいいのにと思います。

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