見出し画像

それって本当にインターバルですか?

複数人で練習をする上で前々から思うのは、インターバルトレーニングを他人と一緒にやるのは非常に難しいということです。疾走とリカバリーは走力に合わせて緻密に設定する必要があり、体調によっても変動しやすいものです。一人でやる分には感覚で「だいたいこのくらいかな」と走りながら強度を探って調整できますが、人と一緒の時はそういうわけにもいきません。

そうなると走力がよほど拮抗していない限り、どちらかが一方に合わせることになります。そうなると走力の高い選手は余裕がありすぎて効果が薄れるか、走力の低い選手は強度が高すぎて最後までこなせないという不幸な結果になります。このため、走力差が大きいことの多い市民ランナーの練習会でインターバルトレーニングを実施する場合は注意が必要です。

個々の走力が拮抗している学生や実業団ならまだしも、市民ランナーの練習会でのインターバルはかなり無理があります。大抵はスタートのタイミングを合わせるためにリカバリーがゆっくりになるため、自分にとって適切な負荷をかけるのはほぼ不可能です。こうなると練習効果が下がるのを覚悟して余裕を持ってこなすか、疾走区間のタイムを上げてレペの位置付けにするしかないと思われます。この時点でインターバルトレーニングの目的からはかけ離れてしまうのですが…。

陸上経験者とそうでないランナーで一番違うのはリカバリーの速度です。インターバルはどんなに遅くても200mを80秒では行かないと心肺が回復してしまって練習にならなくなります。本当は80秒でも遅くて、理想は60~70秒。5000m14分台クラスになると48秒でも足りなかったりします。しかし、市民ランナーの場合はよほどの上級者でないとリカバリーを200m80秒では行けません。

このため、練習会などで「インターバル」と言われても、本来の目的とはズレている可能性が高いことは認識しておいてもいいでしょう。裏を返せば、インターバルだと思ってこなした練習が実はレペティションと同義で「有酸素を吐き出す練習」になっているかもしれません。インターバルトレーニングとは「疾走は余裕を持って、つなぎはテンポよく」走るメニューなので、自分のやり方と違うと感じたランナーは設定タイムを見直すべきだと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?