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「エイリアンVSプレデター」と「エイリアン」と「プレデター」

適当にアマプラ特典で無料で観れる映画を探して、「エイリアンVSプレデター」を観ました。(これを書いてる2024年2月現在、無料で観れました)

エイリアンが頭が長くてネバネバしてるやつ、プレデターがヨロイみたいなのを着てるやつっていう姿形は有名ですから知ってましたけど、どっちの映画もちゃんと観たことはありませんでした。

ですから「エイリアンVSプレデター」を観る前に「エイリアン」と「プレデター」も観ておきました。

観てなかった私の方が珍しいくらいなんで、どうもこうもないんですけど、一応ネタバレですよとお伝えしておきます。

「エイリアン」は宇宙貨物船に例の長アタマのエイリアンが侵入して大騒ぎ、主人公のシガニー・ウィーバー以外全員やられるって話です。

SFホラーの金字塔みたいな扱いですから、さぞかし面白いんだろうと期待したんですが、私としてはそんなにでした。映画通の人なら気づいている面白さを私がボンクラだから見逃してるだけ?

エイリアンの造形とか、人間に一旦寄生して繁殖するとか、習性の設定とかはものすごく面白いんですが、それだけみたいな。いや、それだけでもまあまあ面白いんだから大したもんだとは思いますけど。

とにかく乗組員全員が役立たずで、戦闘能力的に全く太刀打ちできないエイリアン相手に、人間側が創意工夫とチームワークでなんとか対抗するみたいな話だったら燃えるんですけど、全員アホで普通にやられるっていうね。

緊急事態で一刻を争う状況で口論して無駄な時間を費やすとか、イラつく映画によくあるパターンも出てきて、エイリアンっていう化け物は100点満点なのに、話の内容としてはけっこうダメ映画によくある感じって思っちゃいました。

唯一、一矢報いた格好のシガニー・ウィーバーも、別に彼女が優秀だったからってより、普通にアホの一員だったけどたまたま助かったみたいに見えちゃいました。

そもそも、貨物船というのが乗組員にも知らされていない偽装で、元々の目的が軍事利用目的のエイリアン捕獲だったというんですから、最初から乗組員全員あのおっさんみたいなアンドロイドで行けば良かったんじゃね?わざわざ偽装船で行くメリットがないでしょう。

そんなわけで、平凡でどっちかってとダメ映画寄りの話なんだけど、エイリアンっていう化け物の魅力だけでそこそこ面白く観れちゃうっていう映画でしたとさ。

「プレデター」の方はエイリアンよりももっと知らなかったです。甲冑みたいなヨロイ姿の宇宙人という薄ぼんやりしたイメージしかないっていう状態で観始めました。

映画が始まってしばらくは怖い宇宙人が出てくるSFっていう要素は皆無で、シュワちゃんとアポロ・クリードじゃなくてカール・ウェザースを中心とした部隊がジャングルでドンパチやるっていう感じ。ほとんどランボーです。

作戦が一段落ついたところからが本番で、見えない敵に味方が次々とやられていき、だんだんと半透明の超強いヤツが相手だとわかってくるっていうスリル満点の展開に。

部隊の仲間のキャラが良いです。野球選手のウィーラーみたいないいヤツの黒人兵士、インディアン出身のカンの鋭いヤツ、メガネでつまんないギャクが好きな通信兵とか、とにかくキャラ立ちが素晴らしいです。

プレデターの方もエイリアン同様に、造形や設定の面白さが良いです。

腕についたツインブレードとか肩のビームキャノンもカッコいいし、ハイテクを駆使してステルス迷彩で姿をくらまし、サーモグラフィーでこちらを見ているっていう、どうやったら勝てるんだ感。

ここからが「エイリアン」とはひと味違うところで、素晴らしかった。

武器をほとんど失ったシュワちゃんが現地の木とかツルを加工して武器や罠を作り、プレデターがサーモグラフィーでこちらを感知しているものの、目はほとんど見えてないことを利用して全身に泥を塗って身を隠したり、創意工夫で立ち向かうところが激アツです。

最終的にはボコボコに殴られても根性で耐えて、渾身の丸太罠でプレデターを仕留めるというカタルシスあふれる決着でした。これぞエンタメ、これぞアクション映画。ものすごく面白くて満足でした。

ジャングルの戦闘もののアクション映画+SFっていう、今観ても斬新な組み合わせを見事にエンタメ・アクション映画として仕上げたって感じ。最高でした。

で、「エイリアンVSプレデター」ですけど、身も蓋もないけどなんか普通でした。すごいのとすごいの足したら普通だったっていう。1+1=0.8くらいの感じ。

ものすごい魅力あるエイリアンとプレデターっていうキャラクター同士を戦わせたらえらいことになるだろうと思ったら、案外普通なことになってました。

完全生物って言われてるけど知能的には猛獣みたいな感じでひたすら攻撃的で獰猛なエイリアンと、知的で科学的、技術的に非常に高度なプレデターの戦い。そこに人間がどう絡んで来るかっていうところです。

三つ巴の戦いとなったら人間は普通に蹴散らされて終わりですし、実際映画の前半はそんな感じなんですが、主人公の女探検家のレックスが、知的なプレデターと仲間になろうと決断し、なんだかんだで実際そうなるっていう。

共闘の中でプレデターがレックスを認めて、エイリアンの死骸で作った盾と槍をプレゼントしてくれるっていうところ、なんじゃそりゃ。

こうなってくると、だんだんプレデターが人間的になってきて、エイリアンの卵だらけの部屋で「この爆弾で、ドカンだ」みたいなことを仕草で伝えてくるんですから、ちょっと笑いました。プレデターが人間っぽくなればなるほど笑えてくるんです。

最後はレックスとプレデターが力を合わせて、ラスボスの巨大エイリアンをやっつけて終わり。

ところがプレデターが宇宙船に乗って帰っていく時に、犠牲になったプレデターの死体の胸からエイリアンの幼生が飛び出すというお約束の展開。なんかこのシーン、エイリアン観たことなかった私でも知ってました。

話としては別に普通で、ハっとするようなところも特になくって普通でしたけど、20年も前の映画にしては映像がきれいだし、ねとねとしたエイリアンの感じとか、プレデターの半透明の感じとか、いい感じで見せてくれたなって思いました。

エイリアンもプレデターも、初代の頃はまだ70年代とか80年代ですから、映像技術もまだまだだったでしょうから、そのカッコいい姿を映画の中でそんなにたくさん見ることができなかったんですよね。

今作ではエイリアンもプレデターも、ずっとモロ出しで存分に堪能できました。化け物の造形の楽しさってこのシリーズの最大のオモシロ要素だと思いますんで、そういう意味では満足でした。

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