『25時のバカンス』を読んで思ったことをつらつらと
どうも、お世話になってます。
maです。
私という人間はかなりミーハーでおりまして、以前宝石の国が無料公開されていた際に全て読んで、まんまと市川春子さんの性癖の渦に巻き込まれた人間のひとりなのですが、
最近やっと『25時のバカンス』を読みました。
今日はその作品を読んで思ったことを、考察でも解説でもなくただべらべらと話していきたいと思います。
あ、ちなみにガンガンにネタバレしていくので読んでない方はここで閉じたほうがいいと思います。
私はネタバレなんのそのタイプなので同じタイプの人なら別に読んでもいいと思います。
では、いきましょう。
セーラー服×眼鏡×チャリ
そして年の離れた弟。
1ページ目からノスタルジーを感じざるを得ない。
そして弟の眼帯とか会話の内容とか、どこか不気味な雰囲気も漂っている。
次のシーンから最初の舞台が過去だったこととか、何点?のくだりとかが明らかになるんですけど、次のシーンで答えがわかるって洋画みたいな表現ですごい好きです。
あと物語に限らず歌詞とかでもそうなんですけど、
女の子が「〜だ。」とか「〜だぜ。」とか
そういうのめっちゃ弱いんすよねぇ〜。
吹き零れる程のI、哀、愛
つってね。
初っ端から全部言っちゃいますけど、これは乙女と甲太郎の姉弟愛であり哀の話でしたね。
浮気、不倫、近親愛etc…
どうしても人間が興味を持ってしまって、作品のテーマとして挙がりがちなのって、禁断の愛を求めてしまっているという人間の根底の欲望の表れなんでしょうかね。
これって乙女と甲太郎の間には本来あってはいけない愛の繋がりであって、ない道を進んで会いに行けてしまう甲太郎と"人の道を外れた"乙女、ということなのかなって。
そういう細かい会話、描写に詰め込めるだけ詰め込んでくるの流石ですね、、、
最初はどうして弟にだけカミングアウトするんだろ?って思っていたんですけど、物語が進むにつれて乙女の真っ直ぐで歪んだ、兄弟愛を超えてしまった愛情を感じました。
最後ね、ほんと、後で話すけど、最高だったね。
人外が社会に馴染もうとしてボロが出るの、好き。
市川春子さんは日常の何気ない会話を描くのがすごく上手くて、宝石の国もそうだったけど没入感というかまるで自分が物語の中にいてそこで一緒に見てるかのようなリアリティがあります。
そのまま簡単にバレちゃったりするんですけど、そういう時には本来めちゃくちゃ引いたり大騒ぎになったりすると思うんですけど、市川春子さんの世界の住民は何故か簡単に受け入れる。
市川春子さんのそういう描写めちゃくちゃ好きで、びっくりはするけど意外とすんなり受け入れて、腫れ物扱いするでもない。
人外×社会の理想系とも言える。
リアリティと人外、現実離れした描写のバランスが本当に絶妙で、そういう世界をこっち側(読者)に受け入れさせるのが上手い。
甲太郎、良すぎますよね。
髪型もいいし性格も最高。
甲太郎はずっと乙女に認められたかった。
高得点が欲しかったということを言ってましたけど、姉に認められたい弟と、それを表に出さない姉。
表面上だけではわからない奥底の愛情みたいなものがかなり心に刺さりました。
そして、気づいてしまう。
乙女の中にある素直な感情を中の生物が話しちゃうみたいな、そういう表現堪んない。
姉の素直な感情を知ると同時に、自分の気持ちにも気づいてしまった甲太郎。
後半のギクシャクした感じが本当に最高でした。
それでいて乙女は甲太郎の感情に気づいていない。
禁断の愛だとわかっている2人の、決して表に出せない感情が、ずっとずっと下の深いところで渦巻いて、ふとしたタイミングで波として立ってしまう。
海底だけにね。
エピローグ
まさか甲太郎の目を治すためだけに自分の身体を犠牲にするとは。
姉弟愛を越えた愛の表現が目を模した真珠って…
プロポーズですやん。
プロポーズですやんこんなん!!!!!!!!
あと脚から身体の中に手突っ込んで取り出すシーン、あンまりにもエロすぎる。
ごちゃごちゃ言いましたが…
『25時のバカンス』、愛も変わらず市川春子さんの性癖詰め合わせセットでしたね。
近親愛、人外、ノスタルジー、様々な性癖が波のように押し寄せてきて、市川春子さんの絶妙なリアリティがそれをさらに大きくして、完全に飲み込まれてしまいました。
ここまで読んで、読んだことないよーっていう人は流石にいないと思いますが、もし読んだことがない人がいれば是非とも読んでみてください。
自分の拙い言葉の表現だけでは市川春子さんの作品について人に影響を与える程度のことは言えないんだなと気づいたので、もう感想を言うのはやめておきますね。
最後に一番好きなシーンを置いておきます。
こういう目線の動き、、、、弱い、、、、、
ということで、今日はこの辺で。
いいから早く市川春子の性癖が刺さって抜けなくなってしまえ。
では。
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