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音楽中毒か?

中毒とは、何かの物事にのめり込む様子のことを言うらしい。毒に中る(あたる)と言う意味合いもあり、そこから機能障害を起こす事を本来中毒と言うらしい。

世間でよく言われるのは、アルコール中毒がある。

ところで、私の場合は、あまりお酒を飲む習慣が無いのだが、仕事を終えて自宅に戻ると、まずは、ロフトに上がり電源コードを差し込み、プリ、メインとアンプのスイッチを入れた後、目の前にあるレコードアルバムの束から、適当に片手で掴めるだけ取り出して、取り出した一番手前のアルバムのレコードをターンテーブルに載せる。そして、ターンテーブルを回して、針をゆっくり降ろす。という習慣がある。

特に用事がなければ、どっぷりオットマン付の長椅子に体を沈めて音楽鑑賞にのめり込む。そして、食事やトイレ、それ以外の家事作業で階下に降りる以外は、ずーと音楽を聴いていて就寝を迎える。

これが毎日の習慣である。

実は、飲食店で仕事をしている間も、BGMと称して、ずーと真空管アンプでレコードをかけているので、一日のうちほとんどは、音楽漬けの状態である。

この状態は、ある意味音楽中毒なのではないだろうか?と考える。ところで、機能障害を起こすかどうかという点では、お酒のように肝機能を壊すという直接的な被害はなさそう。厳密にいえば、ずーと座っていることによる筋肉の衰えとかは関係するかもしれない。
しかしどちらかというと、精神を安定させて、リラックスさせるメリットも結構あるように思う。

しかしながら、ここ数年なぜこんなに音楽を聴くことに没頭できるようになったのだろう?と自分でも不思議なので少し考えてみる事にした。

不思議なのは、こんなにずーと聴いていても、飽きることがない。また、疲れるという事を感じない。どちらかというと、音楽を聴いていることによって、より気持ちよくなり、新しい発想が生まれる。次回、どのようなデザインで家具を作ろうか?どの真空管を使ってどんなアンプを作ろうか?休日をどのように楽しもうか?今度いつ東京の秋葉原やお茶の水へ行こうか?、、、、、、、と楽しいことを考えながらずーと音楽を聴いている。もしくは、少し疲れていると、あっという間に睡魔に襲われて、知らぬ間にターンテーブルが止まり、アームが上がっている。そして、うとうととしながら夢見ごごちで裏返したレコードにまた針を落として、しばらくすると寝落ちする。

聴く音楽は、バイオリンや、チェロなどの弦楽器を好みクラシックが多い。ジャズもベースの音が好きで聴く。若いころ聴いていた、ポップス、ロック、日本の歌謡曲、フォークソングなどもたまに聴くが、やはりクラシックが圧倒的に多い。かといって、クラシックに対する造詣が深いわけでもないので、なかなか作曲家や曲目を覚えられない。

ネットで調べたり、オーディオ雑誌、真空管アンプ作成本に書いてあることを、ざっくりと頭の中でまとめてみると、音楽中毒である原因は、きっと、私の聴いているこの環境が影響しているように思う。

1.レコードというアナログのデータをオーディオシステムから聴いていることが良い。(本当は生演奏が一番いいのだろう。)

2.そのオーディオシステムは、真空管アンプという古い技術ではあるが、アナログデータを扱うのに理にかなった音楽信号増幅システムを使用している。

3.真空管アンプは、3極管もしくは3結でシングル、無帰還で作成されており、最大出力やダンピングファクターは小さいが、倍音(偶数次高調波歪み)を生かした気持ちの良い音を奏でてくれる。

4.Fostexのフルレンジを使ったバックロードホーンが真空管アンプとの相性が良く、小さいパワーやダンピングファクターでもうまくバランスよく鳴らして(ドンシャリにならず)耳元まで届けてくれる。

オーディオを趣味としている諸先輩の目的や、目指すところは、それぞれ違うので、異論はたくさんあると思う。が、現在の私の知識では、上記の環境が私を気持ち良い音楽中毒に導いてくれている原動力のようである。という結論に至った。

これからも、音楽漬けで生活を楽しめるなんて、なんと幸せな事だろうと考えながら、また、今日も回転するレコード盤に針を落として悦に入ろうとしているところである。