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FE126NV

今私のお気に入りスピーカーは、FE126NVフルレンジを使ったバックロードホーンである。
FOSTEXは、それぞれのサイズに合わせた設計図を取説に載せているのでそれにほぼ従い、しかし細部は現場合わせで、かつ自由にアレンジして作っている。取説と一番大きな違いは、エンクロージャーの素材。私は家具を作るための動力機械を持っているのでブナの木を製材して、無垢で作っている。以前FE166NV,206NVでは指定通り合板で作成したが、それらと比べても低音のソリッド感が優れているように聴こえる。バックロードホーンから鳴り響く音は、まるで楽器の様だと表現されている記事を読んだことがあるが、私もこの無垢で作ったスピーカーから響く音を聴いて納得している。人によって好き嫌いがハッキリするようだが、私はこの音がとても心地よく聴こえて一日中聴いていても疲れない。

旧モデルのENでは、低音を出すのにかなり苦労したのだが、NVではとても素直で、私の耳には十分な低音の量感、そして、弦を爪弾く音や、底を這って伝わってくるバスドラの音など心地よく、かと言って、無理やりブーストさせたような違和感が無い。

なぜ、166や206ではなくて、126かと言うと、無垢材で作る事による施工の難しさがある。無垢材は、必ず木が動く。家具と違うので木の目に逆らって無理やり接着すれば、割れるし、ヒビが入る。103で作った時もかなり苦労している。まして、幅40cmの側面板を一枚板で取ることは難しいので、テーブル板を作るように接ぎ合わせる必要がある。自動鉋盤のサイズ制限ギリギリである。
今の私には126が無垢材で作成する最高峰である。

このスピーカーで、クラシック、ジャズを聴いていると、真空管アンプは、何でもいいような気がする。
私は、色々作った真空管アンプの中で、どちらかと言うと3極シングルアンプ、できるだけ無帰還が好きだ。MT管を使ったミニワッターでも、真空管ブリを介せば、小さなリスニングルームでは十分な音量が出て迫力を味わえる。よく、出力トランスが小さいと低音が出ないようなことも言われるが、ミニワッターでは東栄変成器のT-1200を使っているが、300Bシングルアンプと比べてもそんなに大きな違いがあるように思えないのは私のダメ耳のせいだろうか?いや、このバックロードホーンがかまぼこ型に落ち込んだ低音の周波数をうまく引き出してくれているように思うのは気のせいだろうか?

中、高音に関して言えば、126というサイズもあり、ツイーターは付けなくても十分である。と言うより、この歳では、もう10kHz以上は聞こえてないかも。