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やはり負帰還は必要か?

人の感覚というものは、定まったものではないようである。その時の気分や、成り行きでいかようにも変わるものらしい。

あんなに負帰還を敬遠していた私であるが、もしかして、負帰還が必要なのではないかと思い始めている。

今まで作ってきたミニワッターが、最近急に低音の膨らみというか、過度なスピーカーの箱鳴りというか、少し気になり始めてきた。
もちろん、かける音源にもよるのだと思う。
今まであまり気にならなかったのになぜだろうか?

空気の湿気や、季節的な事も関係しているかもしれない。

いずれにしても、今、6FQ7や、12BH7Aなど、双三極の真空管で作ったミニワッターの出音に、なんらかの調整が必要な気がする。

問題は、私の負帰還に対する理解力が不十分な事だ。負帰還を掛けることによるメリット、デメリットは、あちらこちらに出ているので理解はできる。私の場合は、とにかくダンピングファクターの改善をすることによる、低域の締まりをよくする事が喫緊の課題である。

ところが、オーバーオールの負帰還を構成する場合、負帰還抵抗をどのくらいの値にするべきか?という事を、簡単に説明してくれる情報がなかなか手に入らない。
ネットや書物を見ても、負帰還のメリット、デメリット、そして、利得の計算、位相についてなどの記事はあるのだが、じゃあ、このアンプに何Ωの抵抗を入れれば、適当な負帰還になるのかという事が、なかなか理解できない。

私の頭が硬いが故に、すんなり理解ができないだけなのだろうか?と、自分の頭の出来を疑ってみる。今一つ、自分の腹に落ちないのである。

そんな中、とりあえず、12BH7Aのシングルアンプにペルケさんが実験回路で使っている値をそのまま利用して負帰還素子を560Ω、初段カソードには、手元にあった100Ωを入れて負帰還を構成してみた。

すると、嫌な低音の膨らみや、過度なスピーカーの箱なりをある程度抑えることに成功したように感じている。

きっと、そんなに大きな負帰還ではないのだと思う。懸念されていた負帰還の弊害である平板な音というのも感じるほどではないようだ。

とりあえず、負帰還を使うことを良しとして、一歩前に進んでみた。少し経つと、また、自分の感覚で、音に違和感を感じた時、手を入れることになるのだろう。今日のところは、これでよしとしておこう。