私が音楽を聴く理由
そんな事、真剣に考えなくたって良いじゃないか!と思うこともあるのだが、ついどうしても、自分のやる事に理屈をつけてみたくなる年頃なのだろうか?
オーディオという趣味にハマり、レコードをできるだけ安く手に入れて所蔵数を増やしながら、自作真空管アンプで、毎日ビニールの円盤を回している。
ふと、何が私のこんな日々の行動を促しているのだろうか?と考えてみた。
結論は、できるだけ気持ちの良い時間を過ごしたいという一心であると気がついた。
私は、楽譜を読んだり、楽器を演奏したりする事ができる、音楽家の人たちとは違う。何度かギターに挑戦した事はあるが、いまだにものになっていない。
なので、レコードで演奏している楽曲について音楽論的な観点から鑑賞したり、評価したり、学術として突き詰めるような事はできない。
また、オーディオを趣味にする人々の命題のように、Hi-Fi、つまり、原音に忠実な環境を作り出す事に生きがいを感じるというタイプでもなさそうである。勿論、自分がコンサートホールのS席に座り、正に目の前で演奏を聴いているような環境が表現される事を否定するつもりはなく、そんな環境であればきっと気持ちよく聴く事ができるのだろうなぁと納得する。
でも、一番大事な事は、その音楽を聴いている間、どれほどいい気持ちにさせてくれて、リラックスにさせてくれるのかという事が一番大事なポイントのような気がする。
心穏やかに、そして、気持ちの良い時間の中で、ポジティブなマインドを醸成して、明日への希望が高まるような時間であって欲しい。
勿論、そんな気持ちの良い時間であれば、あっという間に寝落ちしてしまうという事でも、全く問題はない。
そして、そんな時間を過ごしながら、色々な事を想像したり、考えたりする事ができれば、きっと、明日からの新しい生活の役に立たないはずはないであろう。
だから、できるだけ日々の生活の中では、レコードを回す事にしている。
これが不思議で、飽きる事がないのである。
読書をしながらでも良い、ネットを見ながらでも良い、そして、眠気に負けて熟睡してしまっても良い、これからどんな真空管アンプを作ってやろうか?と目を瞑って考えている時でも良い、レコードの中で演奏しているアーティストの人生に思いを馳せている時でも良い。絶えずレコードを回しているのである。
そう考えると、この歳になって音楽というものへの依存度がかなり大きい人生になっているなぁと感心するのである。
それは、決して悪いことではないだろう!