2022.8.19 展覧会 岡本太郎
過日、「展覧会 岡本太郎」に行ってきました。
大阪中之島美術館。
今年開館したばかりの、強気の企画をバンバン打ってくる、気合の入った美術館だと思います。(単に私のシュミに合ってるだけか・笑)
今年の春にはこんな展覧会もやってました。
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本展は撮影し放題です。
ここからは敬意をこめて、岡本太郎氏のことを「太郎」と呼ばせていだきます!!
でっかい絵、いかにも太郎! という絵もたくさんありました。
従軍した際に描かされた、師団長の肖像画もあります(太郎は30歳を超えて招集されたそうです)。端的にめっちゃうまい。ピカソもそうだけど、抽象画を描く人は、普通の写実的な絵もめちゃめちゃうまいのな・・・。
渋谷の「明日の神話」(原爆投下を題材にしていると言われている)のミニチュア版もありました。
その他いろんな絵がたくさんありました・・・・・・。
しかし!!!
私は、太郎の「絵」より「立体工作物」が大好きみたいで、撮ってきた作品はついつい立体物ばかりになってしまいました。すまん。
でっかい絵が見たい人はぜひ現地に行ってくださいね。
夏休みなので自由研究なのかな、親子連れが多かったです
▼作品たち
入り口では太陽の塔がお出迎え。イキな演出。
これは花器という概念を覆すオブジェです。
どーん。
▼太郎との出会い
私が最初に、明確に太郎の作品と出会ったのは、かなり昔ですが、夏木マリのパフォーマンスでした。
あれは何だったのかなあ・・・東京都現代美術館で、マリさんが、ダンサーと、パーカッショニストのノヴさんと、太郎の作品たちの前で生演奏でコンテンポラリーダンスを踊る、というようなイベントがありました。
あったはず。
うろ覚えすぎる・・・。
マリさんとノヴさんのことは覚えている!
あと清澄白河(きよすみしらかわ)という、すごい名前の駅に行ったのは後にも先にもこの1回だけ。
複数の作品の前を移動しながら、いくつかパフォーマンスが行なわれるスタイルで、観客は毎回めちゃくちゃ近距離で(触れそうな場所で)そのパフォーマンスを見られました。
その時はとにかくマリさんと音楽の熱量に圧倒され、あんまり太郎の絵のことは覚えてません・・・。太郎の絵に負けないように、マリさんも必死だったんだと思います。
その後は、太郎の絵を特に好きだと思うこともなく、どちらかというと「怖い、気持ち悪い」と思っていました。
それが、関西に来て、万博公園で太陽の塔を見た時・・・
私は天啓を受けたのです!!!!
「とんでもなくすげー奴が日本にいた!」と!!!
いや気づくの遅いよ、遅すぎる・・・。
太陽の塔はとにかくでかい。
すごい。
かわいい!
とんでもない!
見たことない!
なんだこれは!!!! ベラボー!
この時の大阪万博のスローガンは「人類の進歩と調和」。でも太郎は問いかける。「本当に人類は進歩したのか? 調和できるのか」と!
そして今回の展覧会で、太郎のworkの一端に触れることができました。
展覧会では太郎の生前のインタビューをまとめた映像も流れており、太郎は標準語でしゃべってました。なんで私は「岡本太郎は大阪生まれ」って思ってたんだろうか(謎)。太郎はめっちゃ東京の人です。
若い頃にパリに行って修行して、そこで当時の最先端の芸術家らと知り合いました。帰国して、従軍して、戦後たくさん活動しました。本も出しています。テレビのCMやバラエティにも出ていたそうですが、それも知りませんでした・・・。私より上の世代は、岡本太郎をテレビで見た記憶があるみたいです。
▼芸術は呪術だ
私は太郎の”あふれ出る濃い情熱”的なものが苦手だった。
だから若い頃は太郎の良さが全然分からなかった。
しかし今、自分が中年になり、体力とか気力が枯れてきて(笑)、太郎のほとばしるような生命力を「ああ、そういうのもあるんだな」と受け止められるようになったんだと思います。
若干「うらやましいな」と思っているのかもしれません。
太郎はかなりエキセントリックな家庭で育ったらしいので(展覧会ではあまりそういう記述はなかったけど)そのことも作品に影響しているのかもしれないが・・・。それもすべてコミの、あの作風なのだろうな。
また、太郎はまさかのマルセル・モースに師事していたことがあり、日本中の伝統的なものに関心があったみたいです。といっても京都の伝統工芸とかそういうんじゃなくて、もっと土着的な、縄文土器的な、民衆の中で伝承されているような。
太郎が撮影した、秋田のなまはげとかの写真も展示されていました。
そう言われると、たしかに、太郎の絵、呪術っぽい!!!!! 明日の神話も鎮魂っぽい。
▼「カワイイ」の元祖?!(仮説)
芸術はここちよくあってはならない、と太郎は言ったそうです。
私はどちらかというと、きれいでわかりやすくて、ここちよい「芸術」が大好きなのだが・・・すまん太郎。わかってなくて。
太郎の作品には「かわいい」ように見えるものがたくさんあって、ついつい私は「カワイイ!」と言ってしまうのだが、太郎はそれを許してくれるだろうか。
その「カワイイ」は、きゃりーぱみゅぱみゅのような、増田セバスチャン的な、原宿的な、村上隆的な! ちょっと気持ち悪くて、根源的な生物っぽさのある、暗闇を抱えた「カワイイ」だ。
なんだろう。何か源流がある気がするんだけど、誰か論じてくれているんだろうか?!
あと、これ、球団のバッファローズのグッズなんですが、なんか「エヴァ」(※エヴァンゲリオン)感ありませんか?
あと、これもなんか、ジ〇リっぽくないですか?!
あ~~~だれかにこれを論じてほしい!!
カワイイとかポップカルチャーとかロボットアニメとかに、岡本太郎の影響があるのかを、もし論じているものがあったら教えてほしい!!!
きっと太郎の作品を「かわいい」って言っても、太郎は許してくれると思う。太郎は終始、大衆をバカにしたりしなかったと思うから・・・。
太郎が今も生きていて、CGとかVRとかの技術の発達を見たら、この技術を使ってどんな絵を描いただろうか。気になります。「AI岡本太郎」とか、いつか出てくるかもしれません。それもきっと許容してくれたと思います。「AI 対 人間だ!」と言って、すごい作品を作り出したかもしれない。
中之島美術館へぜひお越しください!!
予約制(時間入場制)で、当日券もあります。10/2まで!!!
これからも書き(描き)続けます。見守ってくださいm(__)m