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2021.5.17 役所だってキレていい(ただし、キレ方は考えよう)

もうすぐ関東も梅雨入りしちゃうんじゃないだろうか・・・というくらい雨と曇りが続く予報。

去年の手帳を見たら梅雨入りは6月初旬だった。えーじゃあまだ早いよね。早く入梅して早く開けてくれるならいいのですが・・・(笑) 

▼YOU、キレちゃいなよ

東京と大阪でワクチンの大規模接種の予約が今日から始まる(高齢者)。この接種は自衛隊でやる、とのこと。

日本経済新聞 2021.5.16 
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA153Y20V10C21A5000000/

人流抑制って言ってるのに、1か所に大量の高齢者を集めるんだね・・・(東京は1日5000人目指す)とやや思った。

これ、電車で来いってこと?ですよね(駅から無料送迎バスを出す、とかいう案もあったような・・・)。

とりあえず、「1人で電車に乗れるくらいには元気な高齢者」から、どんどん打っていこう! ということなんだろう。

もちろん高齢者からワクチンを打っていただかないと困る(私たちに回ってこない)し、何か他にいい案があるのかと言われると、ないです。全体の情報や条件がわからないから案が出しようがない。

でもいくつかの小さな自治体ではそれぞれ成功例がある。それをシェアしつつも、各自治体、血のにじむような思いをして「合わせる」んだろうなと思う。

・・・なんで合わせちゃうのかなー。

首相の無茶ぶりに(7月末までに全国で高齢者の接種完了)。その無茶ぶりに、ほとんどの地区が「できます」って言ったらしい。

中日新聞 2021.5.16 
https://www.chunichi.co.jp/article/254559
東京新聞 2021.5.13
https://www.tokyo-np.co.jp/article/104001

・・・言わされてるし。

その前に、よくわからないところから各自治体に「電話攻勢」があったんだって。ワクチン予約の電話で回線圧迫されるからって通話制限とかしてたのにね(※冗談です)。

たぶん、ほとんどの自治体は「できるかもしれないけど、やってみないとわかりません(だって国がスケジュールとかちゃんと教えてくれなかったから)」という感じなんだろうと推測する。

でも「できます」って言う。

秋田県だけ素直に「できません」と言ったらしい。

秋田魁新報 2021.5.13 知事「終われるわけない」ワクチン7月完了目標、政府批判
https://www.sakigake.jp/news/article/20210513AK0027/

「できねえよ!」ってキレていいと思う。

キレないと分からないんだよー命令する方の人って(実感)。怒られるのが怖いし面倒だしと、ごまかして数字上合わせて、下流行程(現場の最前線で対応する人)にツケを回して、結果、現場の人たちが疲弊する。

でもやる。やっちゃう。日本人マジメだから。

「高齢者の人たちに早くワクチン届けたい」という純粋な思いもあるだろう。公務員は全体の”奉仕者”だから。

もしかしたら「できないことをやり遂げる、それがデキる役人さ!(プロジェクトエーックス)」的なプライドもあるかもしれない。でもそのプライド、今要る?? 要るところで発揮した方がいいと思います。

日本では公務員はストできないけど、市区町村が、都道府県の長や政府にキレるのは、別にいいと思う。

「むりっす」

言えないんだろうなー。幕府に逆らったらお家取り潰し、の感覚があるんだろうなー。交付金とかかなー。。。

あと、それが「美談」になるからな。

「無理を言われてもやり切った」これを美談とするの、もうやめませんか・・・? 


▼合わせる。

これぞ、戦後日本のお家芸。

工夫。

戦後モノのない時期から、ありあわせで、人力で、アナログで、なんとかする。

がんばる。

そして、できちゃう。

で終わると、忘れる。

日本では「がんばる」「まず黙ってできることをしよう」これが美徳とされている。

でも少ない人数で、歯を食いしばって、がんばってやりくりして、そしてどうにか出来てしまうと、組織は「じゃあ、できますね」ということで、何もしない。

具体的に、例えば(労働集約の仕事)、いつもは5人でやるところを、何かの加減でその日は3人になってしまった。でもその3人は「今日だけは頑張ろう」と最大限の努力をする。そしてできてしまう。そうすると、もう人間の補充は来ない。

これが「効率化」という名目でもてはやされる。

でも、「もともと本当に5人も必要なかった」のか「無理に無理を重ねて3人でやってみたら、たまたまできてしまった」なのかは、問われない。

「3人でできた」という結果だけが報告されるからだ。

本来、5人のところを3人にしたいのであれば、無駄なオペレーションを減らすとか、ITなどで効率化を図って、減らすのが本来だと思う。

でも、仕事の手順を減らすとかIT化よりも「がんばればできる」という方が「はやい」のだ。短期的には。

手順を減らすのは何となく不安だし、IT化は先行投資とそれを覚える時間はかかる(後で回収できるんだけど)。

これらは「余裕がある時」に考えておくのが順当だ。「緊急と重要マトリクス」のあれです。緊急ではないが重要度が高いっていうやつ。

でもたいがいの場合、「人が足りない」は急にやってくる。コロナとか。

そして残りの人数で、これまでのことを変えずに、「がんばる」→「できた」→「少ない人数常態化」

この病理が今、日本のいろんな機関で噴出しているんじゃないかと思う。病院とか保健所とか役所とか教育現場とか図書館とか。

「いやいや、それはたゆまぬ『カイゼン』だよ」と言われるかもしれない。

私だって、トヨタ(愛知県民にとってトヨタは心の藩主様です)の「カイゼン」はすごいなーと思う。

1秒でも早く、1歩でも早く。

そういう小さい努力をむっちゃ積み重ねてのコロナ禍で増収(前期比10%増・・・車が売れないと言われてる時代になぜ!? 怖いよ!)。

これぞ三河武士! 「お家」的な精神的つながりが濃い組織だからできることなんだろうと思う。

でもそのカイゼンは全ての組織にあてはめていいもんか?とも思う。

特に「非営利」目的の組織。

トヨタは営利企業。儲けてナンボ。でも公衆衛生を担う病院や、福祉などを担ったりする役所は、第一目的は営利ではない。(もちろん野放図な経営や、本当にその組織の目的と関係ない無駄なところに金を遣ってるのは困る。病院長室だけ無駄に豪華とか・・・)

人を極限まで減らすのがいい、そういう業種もあるかもしれない。原発などの危険地帯とか。

でも、どんなにITを入れて効率化しても、ある程度の人数がいないとできない、という仕事もたくさんあるんじゃないかと思う。

そこの見極めが、たぶん、誰もやったことがなくて、分からないんだと思う。私もわからん。

ただ、お金の面で言うと、人件費は経費(コスト)に分類されている。だから最初に減らしたいんだろうなあ。経営側、雇う側としては。

何度もいうけど、怒るべき時に怒らないとホントわからないんだよ。怒ることと、代案を出したりして対応するのは別です。怒って、その上でやることをやればいいと思う。

黙ってやることだけやると「できるんだな」って思われてしまう。これからの時代、怒るべき時に適切な場所(しかるべき箇所に対して)で適切な量で怒れるのが、本当の大人だと、私は思う。滅私奉公? うっせーわです。

▼忘るまじ

大規模接種センターはつまづきながらも予約を受け付けている。

こうやって日本もヨロヨロしながら世間に叩かれまくりながら、無理やりIT化やって、大規模ワクチン接種プロジェクトをやって、これが一つの経験となって蓄積されて(その後「プロフェッショナル」「情熱大陸」などで紹介されて)、きっと今後の感染対策には活かされると思います。

忘れまいぞこの体たらく。

そして現場で働いてくれてる役所の人と医療人に敬礼! 



これからも書き(描き)続けます。見守ってくださいm(__)m