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言葉が通じないと思っていたこと|本読んだ

在宅になりオンラインで話すことが増えて、顔が見えないし身振り手振りができないので、言葉だけで伝える難しさを考えていた。いや、ずっと考えている。

できるだけ心がけていること

  • 相手のキャラクターに合わせて使う言葉を変える

  • 「あれ」「これ」とかの指示語を使わない

  • 何の話をしようとしているか(質問、相談、感想、雑談など)をまず言う

  • 相手の話を最後まで聞く

  • 自分の理解が追いつかないときはどこで言うか・どう言うかを考える

  • 相手が言っていることと私が理解していることのズレがないか認識合わせをする

同じ事柄に対して話しているつもりでも、
「あ、そうじゃなくって…」となる。
理解できない、伝わらない、ぶつかりたいわけじゃないのに。
いくら言葉を重ねても、なんか分かり合える感じがしない。

もやもやする日々を過ごしていた頃に出会った本。

哲学が好きだけどちゃんと本を読んだことないなーと思って、まず読みやすそうなものから手に取った。
その中に、私のもやもやの答えがあった。

会話とは「話し手が、聞き手に自分の意図を伝えるゲーム」(逆もしかり)であるといえる。

しかし、そもそも「相手が自分の意図を正しく理解した」ということはどうやってわかるのか。
「あなたの意図はこれこれですか?」と問いかけたところで、
ある言葉Aの意図を確かめるために言葉Bを使い、その言葉Bの意図を確かめるために言葉Cを使うのだから、どこまでいっても意図なんて確かめられない。
結局のところ、意図をやり取りしているのではなく、言葉をやり取りしているだけなのである。

史上最強の哲学入門

納得!!!!!
互いの正しさなんて確認できっこないね!!!!

そう思うとスーッと息ができるようになった感じがした。
一つの言葉に対して人によって違う意味をもってることが大いにあるよね、と。

友人や恋人だと踏み込んで向き合うべきだろうと思うけど、特に仕事関係なんて業務に支障がなければいいんだから。
トラブルが起きないようこれはしっかり共通認識を!というやつもあるけど、そうじゃなければ70%くらいの疎通でいい気がする。

その日の気分や体調によったり、持ち合わせている情報やキーワードだったり、そのとき噛み合わないない感じがあっても後日話せば疎通できるときもある。


あともう一冊。

浅井リョウさんが好きで手に取った本だけど、巻末の小説家や詩人など言葉のプロたちのインタビューがすごく良かった。
その中からお一人。

世代や育ってきた環境など、バックグラウンドの違う人々が集まれば、たちまち言葉の取り違えが発生します。
ついつい自分が標準だと思い込んで、「他人も同じ意味合いで言葉を使うだろう」と錯覚することが多いようです。

国語辞典編纂者・飯間浩明

言いたいことを相手に伝えるためには、語彙力だけでは不十分。
むしろ、少ない語彙、簡単な語彙を的確に使うことが大事。
私は「相手が中学生でも伝わるだろうか」ということを基準にしています。

同上


語彙力は自分の知見を広げるためのもの

語彙力は自分の情報を得るために必要。
たくさんの言葉が頭の中にあれば、文章を読んで意味が取りにくいことは少なくなる。古い小説などを読んでも楽しむことができます。
その上で、自分が得た難しい語彙をやさしく言い換える練習をするといいでしょう。

同上


これを読んで心に留めておきたいこと。

語彙力は自分を助けるもの。相手に上手に伝えるためのものではない。
言葉をたくさん手に入れたとて、相手との共通言語になり得なければ意味がない。
伝えるための、多くの人が知っているであろうわかりやすい言葉のボキャブラリーを増やすことが大事。

話が入ってくる人って、わかりやすく噛み砕いて例え話とか入れつつ話せるから尊敬する。
話の構成も上手だし。

言葉の多様性を理解するために、
自分と違う仕事や趣味、世代や文化的背景をもつ人と話すこと、と書いてあった。

自分と似たような人ばかりと接していると視野が狭くなるのと同じ。
ニュアンスで会話できる楽な友達ばかりで身の回りを固めがちだけど、少し負荷のかかることをして成長痛を感じなきゃだな。

高い語彙力とわかりやすい言葉のチョイスは、自分の想いを吐き出すための武器になる。
もっともっと、本を読んで色んな人と話をして素直に自分の中に取り込んで、語彙力を高めるぞー

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