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#01 親と、お金の話。

先日、とあるテレビ番組で「親のお金が使えない」という特集が放送されていました。ご覧になられた方もいるのではないでしょうか。

親が亡くなったときや判断能力がなくなってしまったとき、口座に入っていた親のお金が凍結されて引き出せなくなることがよく知られるようになりました。今やテレビだけでなく、雑誌でもたまに目にする話題になったほか、振り込め詐欺の常套句にもなっていたりします。

それなのに、親と「お金の話」をしたことがある人って実は少ないのではないでしょうか。親も子も、まだ大丈夫と互いに思っていたりして、なかなか話しづらいことだったりもします。

■なにもしないままでいいの?

とあるお客様は、ご両親のデイサービスセンターの入所費用を用意するために、いずれはご両親が暮らしている家を売却することを考えていました。しかし、なにも対策をしないままご両親が70歳を迎えることに。

このままでは、いざ売却をしたくても、万が一ご両親の判断能力が衰えてしまうようなことがあると、いくら身内とはいえ財産は動かせません。そのことを知ったお客様は、古希のお祝いとともに「ずっとみんなが楽しく暮らしていくために、これからのことを考えたい」と、気持ちを伝えるところから始めてみました。そこから家族みんなで「お金の話」をすることに。時間をかけて話し合った結果、家族信託の手続きを選ぶことになりました。

家族信託とは、本人にもしものことがあったときの財産管理を信用できる家族に託する契約のことです。親が認知症になったときに備えてあらかじめ結んでおくケースなどがあります。

そのお客様は、家族信託を利用したことでご両親に代わって実家の処分ができるように。契約後、「ホッとしました。」と話されていた姿がとても印象的でした。

誰にでも「親とお金の話をするなんて、大変そうだなぁ」と思う気持ちはあると思います。でも、なにもしないままでいた方が何倍も大変です。

もちろん、家族信託以外にもいろんな手段があります。ですが、手段のことはひとまず置いておいて。まずは自分たちがどう暮らしてゆきたいのかをみんなで考えてみませんか。そして、お茶でもしながら、その思いを伝えてみるだけでも大きな一歩だと思うのです。

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