『日本の映画産業を殺すクールジャパンマネー 経産官僚の暴走と歪められる公文書管理』2020年5月19日発売
初めての著書『日本の映画産業を殺すクールジャパンマネー 経産官僚の暴走と歪められる公文書管理』が光文社新書より発売になります。
紙書籍版:2020年5月19日、デジタル書籍版:2020年5月29日
目次:
第1章 株式会社ANEWと消えた22億円
22億2000万円を溶かした官製映画会社/「支援基準に適合」/ただ同然の身売り/即日で出された大臣意見 /2年間表に出なかった決裁文書/「御理解いただきたい」こと/偽りの答弁/真の「第一号案件」/グリーンライ ト/いかなる契約も存在していなかった/『ガイキング』の始まりは/官製会社の民業圧迫行為/知らない方が不自然
第 2 章 ブラックボックスと化す官民ファンド
ANEWの「黒幕」は/経産省の「処方箋」/「思い違い」で逃げられる官僚答弁/「公文書は存在しなかった」/ 黒塗り処分/旧産活法の違法行為/かたくなな回答拒否/ガバナンス不在の上司と部下/驚く財務省職員/ 白々しい「政策成果」
第3章 映画ビジネスの常識
映画企画の開発コスト/資金調達はゼロ/1500万円と5300万円のルート/説明不可能な疑問/海外映画 化権契約の仕組み/IPの様々な活用法/1円の投資も生んでない/アベンジャーズにスパイダーマンがいなかったワケ/ゴジラのリメイクでわかる権利行使の流れ/民事再生手続きに入るヨーロッパコープ社/振り出しに戻る『TIGER&BUNNY』/リスクマネーという詭弁/ハリウッドに注がれた日本のDumb Money/日本人を気分よ くさせる仕事/「革新的ディールメーカー」の正体/コピーのような新会社/噛み合わない答弁
第4章 官製映画会社構想のそもそもの過ち
今さら認めた「設立関与」/解決された『リング』のリメイク権契約/ビロー・ザ・ライン/イギリスのプロダクション誘致が進んでいる理由/3つのプレイヤー/カリフォルニア州の『AKIRA』誘致への動き/ロケ地が決まるタイミング /「 愛国心 で は 埋められな 数 字」/ 『 パシフィック・リム 』 への無意味な表彰 / 『 沈黙 』『 M i n a m a t a 』 はなぜ日本で撮影されなかったのか/『ウルヴァリン』の5億円vs64億円/Apple がアイルランドを選んだ決め手/文化庁の欠陥制度/「我が国の映画の振興に資する」とは?/フランス人プロデューサーの失望/「使い勝手」を改善し たポルトガル/労働搾取を推奨する日本の代表/マーベル映画と韓国映画の違い/雇用と税収で効果を示すイギ リス/1件だけの「データベース」/失敗の経験すら消えてしまう
第5章 無責任すぎる経産省の総括
クールジャパンの責任逃れ文化/ごまかしの「著作権処理と整理」/著作者人格権の主体/『DRAGONBALL EVOLUTION』のトラウマ/製作のコントロール/駆け込み発表による追加投資/2つのフェーズと30億円/間違いだらけの投資決議/切り離せない映画の「企画」と「販売」/情報公開法の裁量逸脱による黒塗り/何をしに フィルム マーケットへ / C Jエンタテインメントの戦略 / 「 テントポール映画」へのミスリード / 体たらく経 営 / 得られた「ノウハウ 」とは ? / どぶに捨てれた大金
第6章 クールジャパン機構の迷走
「クールジャパンツール」1000億円の闇/「アニメーターの皆さんへは......」/山本大臣が絶賛した米中共同製作の『トランスフォーマー』/中村座長と御用会議/国民を騙すクールジャパン標語/クールジャパン機構の統合議論
第7章 カンヌ映画祭と疑惑のクールジャパン補助金
カンヌの格式を無視した「くまモン」/世界的な流れに反するジャパン・パビリオン/空回りする日本の「SUGO I」/作成なし、取得なし、保有なし/消された名前/自分で自分に補助金を/異動間際の海外出張/職員との戦い/背後にいる広告代理店/経団連の要望/蜜月の継続/不都合な第三者検証
第8章 J―LOPの不都合な真実
不可解な 億円の契約変更/実態なき変更計画と大臣承認の矛盾/補助金適正化法の抜け穴をつくカラクリ/ 認めがたい経費請求/実体のない広報費/もう一つの会計報告書/国民の知る権利の限界/腐敗を終わらせるために
第9章 プロダクション・インセンティブ
ネット配信サービス企業による「新しいお金」/政府支援は「ゲームチェンジャー」になりうる/世界中で取り組まれるコンテンツ誘致策/プロダクション・インセンティブに見込まれる経済効果/「製作委員会」以外の選択肢を/「完成保証」とつなぎローンの提供/ジャパンコンテンツファクトリーの利益相反/「公」の意味を理解した組織を/ 国内製作費の上昇の必要性/ニュージーランド『ホビット』観光の圧倒的成功/矛盾だらけの試験事業/間違った日 本のイメージを流布させないために/日本に適したプロダクション・インセンティブの形/現金還元は難しくない/助成率と予算上限の設定