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弁護士になった同期の、事務所から企業法務への転職相談に乗りまくってるので、普段伝えてる内容を書いてみる

ここ数年、ちょうど大学時代の同期が弁護士として法律事務所に就職して数年経ち、企業法務に転職し始めました。そうなると、大卒ですぐに「新卒の就活」を経験してるというだけで、結構相談に乗れることがあったりします。

加えて私はすでに3回転職して現在4社目であり、前前職で事務所勤めの経験も士業採用の人事経験もあり、現在企業法務をやっていて、ご飯さえ奢ればペラペラよく喋るということで、嬉しいことに相談に乗る回数が増えてきてたりします。

ただ、あまりに毎回同じ話をしているので、もう一般的な視点は書いちゃって「ごめんけど一旦note読んで!その上で壁打ち相手になるから話そう!!」みたいなのができると楽だなと思って、今月のnoteにしてみました。(楽できるとこは楽したいタイプ)

なお、単なる私の意見であり、何か転職における王道のノウハウとか保証された方法ではないので、その辺はいい感じにご参考程度に受け止めていただけると幸いです。あと、「そうじゃない、弁護士転職はこうだ!!」みたいなのあれば、ノウハウとして友人たちに伝えたいので、ぜひこのnoteとかにコメントで残していただけると嬉しいです。

簡単な自己紹介

最初に簡単に自己紹介させてください。LAPRASで法務部門の責任者をしています、いいだです。LAPRASでは法務全般にプラスして、働く環境づくり、新入社員オンボーディング 等 興味のある仕事を欲張ってやらせてもらっています。サメが好きでお調子者な、一人法務担当です。

経歴としては、法学部卒で新卒で法務部に全落ちし、その後営業→士業事務所補助者→士業事務所人事→現職でようやく企業法務ということで、転職3回を経て、念願の企業法務に辿り着いた人間です。

万人から見て良い会社はないから、条件に優先順位をつけるといいよ

相談されたら最初に聞くのが「なんで転職したいの?」「次の会社で何を叶えたいの?」というところです。「どっちの方が良い会社だと思う?」「どういう会社を受けるべきだと思う?」みたいな質問に対しては、まず一旦、その質問を投げて、相手にとって良い会社はどういうものなのかを言語化するお手伝いから始めています。

例えば、今は激務だからもう少し家族との時間が欲しいとか(お疲れ様…)、せめて終電で帰りたいとか(お疲れ様…)、一般民事ばっかりやっているから企業法務がやりたいとか、外からの助言だけじゃなくて中で手を動かしてみたくなったとか…転職の理由も色々あると思います。その上で、次の会社に求めるものは上から順に何ですか?と。

「企業法務の経験が積みたい!」系なら、そういった経験が積みやすい会社に勤める方が良い。そうなると、会社の規模や会社のフェーズとか事業内容を採用サイトで確認して、そこから推察するよく使いそうな法律や起こりそうな場面から、自分が欲している経験が積めるかを推測すると良いと思っていて。「ワークライフバランス」系なら、表に出ている福利厚生とかも大事だけど、実際の法務のメンバーの残業時間とか人数構成とか子育て社員の数とかを教えてもらった方が良いと思ってます。

もちろん、軸は1つだけじゃなくて「給料はこれくらい欲しくて、こういう系の業務だと嬉しくて、残業もほどほどに…」みたいに幾つもあるものだとは思いますが、その中で優先順位をつけてそれに合わせた情報提供をすることで「あなたにとって良い会社」「あなたにとって良い法務部」が見つかるんじゃないかと思ってアドバイスして、一緒にうんうん考えたりもします。

あとは、その辺の一般的なアドバイスはエージェントさんとかでしっかり相談に乗ってもらった上で私のところにWチェック的な感じで相談されることも多いので、そこに加えて「求人の読み方」と「エージェントの情報を間に受けないとしたら、こういう裏がある求人の可能性はあると思うよ?」みたいな意地悪な視点を伝えるのは、友人だからできることなので、その辺りや業界の中での評判的なものはここには書けないけど、正直に話してます。

会社の事業内容に興味を持てた方が楽しいよ


優先順位は人によって違うけど、法務にとって事業内容は自分の仕事と切っても切り離せないと思っています。自分が興味があるビジネスモデルの方が、「こんなの何のためにやってるんだ」ってビジネスや「誰が買うんだこんなの」って思う商品よりは、事業の相談にだって載りやすいし、事業部に対してもリスペクトをもったコミュニケーションが取りやすく、結果として法務の仕事もしやすいんじゃないかな、と。

最近は「攻めの法務」という言葉もよく使われて、評論家のようなスタンスではなく、事業の成功のために一緒に伴走するような法務が求められています。そういう視点でも、自分が「法務」という立場でなくてもコミットしたいような事業内容か、熱を持って語れそうなサービスか、みたいなのはどういう軸を優先したとしても、結局大事なんじゃないかなと。

あとはできれば、会社の描くビジョンやミッション等にも共感があると、より自分の近い意識のメンバーに囲まれて仕事ができるというのもあります。が、個人的にはそこは完全に一致しなくても「方向性が一緒」みたいな感じであれば、入社後にチューニングを合わせれば働ける場合もあるので(会社によってはそこに対する強烈なコミットがないとそもそも採用してもらえなかったりはするけど)。ただ「それはないだろ」と感じる、自分の価値観や仕事観と真反対ビジョンの会社には、いくら事業が好きでも行かない方が良いんじゃないかなと思ってます。

自分が「良い」と思っているものと、会社が「良い」と思っているものが違うと、どれだけ自分流で頑張っても評価されないし、評価されない場所で頑張り続けるのは当然ながらしんどいです。そして、衝突してしまうと、みんなの努力の結晶である「弁護士」って肩書が、場合によっては「弁護士だからお高くとまっている」のように、嫌な使われ方することも、残念ながらあります。そんな悲しい理由で、企業法務自体を嫌になって事務所に戻るとか同じ企業法務の人として切ないじゃないですか。

だから、ぜひ採用サイトとか社員の記事とか公式ブログとかはしっかり目を通して、あとはカジュアル面談とか面接とかで実際に社員の人に会ってみて、「事業に興味が持てそうか」「自分が嘘をつかなくても」価値観のすり合わせができそうか」を考えてみるのは、ぜひやってみて欲しいです。会社が大きい場合は、「法務部内で価値観が合いそうか」みたいな目線でも良いと思うのです。いや、わかるよ?名前を聞いたことがあったり、CMしてるような企業の求人は無条件に応募したくなる気持ちもわかる!でも、一旦騙されたと思ってやってみてほしい。

プロダクトに愛が持てて、、同じ場所を目指して安心して進める集団に属することで、仕事はすごく楽しいから!!

元も子もないけど、転職してみないとわからないこともたくさんあるよ


とまぁ色々と相談に乗ったとしても、結局会社によって法務は様々だし、会社が良くても直属の上司と合わなければしんどいし、逆に会社と会わなくても周囲の仲間が良い感じなら頑張れたりするし。思ったより一般企業合わないなと思う人もいると思うし。それについて最後は「転職してみないとわからない」部分があるのは、ある程度覚悟して転職するしかないと思っています。

「覚悟」というのは、決して「どんなに理不尽でも耐える」的なソレではなくて、「自分が選んだ道を正解にする」というパワープレー精神のことを言っています。あれ?と思うことがあっても、そこを乗り越える経験ができた という成果に繋げようと思うと、踏ん張りが効いたりします。そして意外に、ビジネススキルとして必要なものは弁護士とか法務とかに関係なく、横断的なものも多いので、自分の意見の方が間違っていたりすることも往々にあるし、そういう時の修正力は必ずその先のキャリアに役に立つと思う。

そういう時に「転職した判断を正解にする」ために動こうと思っているだけで、すぐに不満で動けなくなって転職を繰り返すよりは、良い選択や方法が取れるんじゃないかなって思ってます。ファイト!(転職3回した私が言っても説得力に欠けるかもしれないけど。)

期待値の調整は入社前から始まっているよ


あ、あと、最後に一個だけアドバイスすると、会社の規模や法務の規模によっては「弁護士」ってだけで「法律に関することなら、もう全部なんでもできる」「とりあえず採用しておけば、あとは放置して置いてもいい感じにやってくれる」って勘違いされることもあるので、そこはとにかく期待値調整を面接の時からしっかりとやることがおすすめです。合格するためだけに面談や面接で盛っても、入社後あまり良いことないよ。

結局、転職も一種のマッチンングだし、需要と供給が一致するかどうかなので、会社の需要にあったものを自分が供給できるのが一番幸せな転職なのかなと。なので、まずは相手がそのポジションに求めることをちゃんと聞き出して(面接官から聞けなければエージェントさんにお願いして聞いてもらって)、出来ないことは出来ないと言いつつ、できるようになりたいなら「半年もらえればキャッチアップします」みたいな感じで意欲を伝えて、即戦力が欲しければ合格しないし、頑張りに期待してくれるなら合格するし。試験と違って「試験問題が定数で、そこに自分を合わせに行く」のではなくて、「相手もふわふわ、自分もふわふわ」した状態でマッチする部分を探る感じだということはぜひ覚えててほしい。

もしそう言われても不安であれば、先に転職した弁護士の方に話聞いておくと良いかも。私は一般的な転職活動の助言はできるけど、弁護士資格はないから、その辺の特有な事情には詳しくないので…。

だから、もし就職面接の試験に落ちても落ち込まないで大丈夫だし、合格が正義でもないので。内定を何個もらっても、行ける会社は一社だし。そのあたり、新卒の就職で100社くらい落ちてる私に言わせればぬるいというか…笑落ちたり受かったりするものだから、良いご縁があるまで粘れば大丈夫!頑張れ!落ちたら励ますから!!受かったら私にも奢ってね!!!笑

おまけ:「おすすめ本教えて」って絶対に聞かれるから置いておくね

事務所から企業法務に転職するときに、読んでおいた方が良い本教えて!ってあまりに毎回聞かれるので、とりあえず厳選して3冊だけ置いておくけど、同じように企業法務に転職した弁護士の先輩に聞く方が良いかも!


みんなの転職がうまくいきますように!

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