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サンデルが語る「不都合な事実」が実に不都合な件について

 マイケル・サンデルによる『Tyranny of Merit』の和訳刊行から気が付いたら一カ月以上.ほとんどの業界・分野で話題の第一がコロナになってしまっているためもあり,同書への注目が過少なものにとどまっているように感じます.

 同書で指摘される「不都合な真実」は,その指摘の妥当さと同時に危険さもあわせもつ指摘です.日本語版の装丁は『これからの「正義」の話をしよう』っぽいですが,その危険さはむしろ『民主政の不満ーー公共哲学を求めるアメリカ』に似ています.

ざっくりまとめると

まずはメリトクラシー(能力主義)について,

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