イベント・観光自粛の経済効果

 新型コロナウィルスの経済的影響についてコメントを求められることが多い日々です.先日も文春オンラインにこんなインタビューが載りました.

 今次のような感染症拡大,さらにはテロ等の突発的事件の経済的影響は供給面・需要面に分類されます.

 供給面について典型的なものはサプライチェーンの寸断です.中国での生産や物流が停滞することで,部品調達が困難になり,日本国内での生産活動が停滞するというもの.典型的には半導体や自動車産業への影響が懸念されます.より直接的に繊維製品については完成品の供給が滞ると考えられます.
 その一方で,あくまで感染拡大自体が今月中で一段落すると仮定してですが,製造業各社はここ10年,部品供給先の多様化やBCP(危機に対する事業継続計画)を整備しており,供給サイドへのショックは被害等の状況が確定するならば回復も比較的早いと考えられます.
 その意味で,供給ショックのインパクトはこの後の感染拡大次第というところもあり,不確実性は高い状態です.

 一方で,現時点で被害の大きさが明確で,かつ感染規模が確定しても一番やっかいな「不安」が残る限り続くのが需要側への影響です.

◆イベント中止の経済効果

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