オリンピックの経済効果~というか「効果」の話
さていよいよオリンピックですよ(もう一部競技はスタートしてますが).『中央公論』での時評連載がweb版に転載されています.要約すると,
「オリンピックの経済効果」なるものはほとんどが付随する公共事業の効果であり,実は本当に開催されるか否かは関係ない.オリンピック独自の経済効果があるとしたら「十分前もって予想される財政出動は直前に決まる財政出動より効果が大きい」という話である.
というものです.この話,本マガジンでは何度か取り上げています.元ネタはいずれもBrückner and Pappa(2015, JMCB)です.別に難しい手法を使うわけではなく,「おぉ!その手があるか」というところがこの論文のミソ.こういう論文好き.
「相関と因果」のよくある話を超えて
データを用いて何かを推計しようとするとき,第一に気をつける必要があるのが「相関関係は因果関係ではない」という点.Aの増加に続いてBが増加していても,
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