多様な働き方の実現
五木寛之先生が『自力と他力』の中で、日本の宗教についてこのように書かれていました。
「持続力の背景には(中略) 日本人の多神教的なものを認める懐の深さと、清濁あわせのむ寛容さが大きくかかわっているような気がしてなりません。」
自分の宗教は1つだけれど、みんなそれぞれあって良い、ということです。
多様な働き方を実現することと似ているなと感じました。
じぶんは自分はフルタイムで働くべきと考えながらも、それぞれの働き方を認め受け入れる包容力が文化としてなければ成り立たないのだと。
その包容力は綺麗事で済まされず、医療や介護福祉の仕事においては、定められた人員配置基準をクリアする必要があり、基準のない職種においても決められた診療時間があるために就業時間が定まります。
そのため、皆がその部署の仕事量を同じレベルで認識した上で働き方を考えなければ、共生しえず破綻してしまいます。
また、同じ仕事なのであれば、仕事量に見合った報酬が無ければ、組織に不和を生んでしまうでしょう。
一方で宗教を見てみれば、私も含めて正月を祝いクリスマスを祝い、仏壇に手を合わせながらも家には神棚があり、七五三も神社に参りますが、仏教も神さまのこともキリスト教のことも熱心に学んでいるわけではありません。
多様な働き方を受け入れることは、このように全体への無関心と都合の良い関心とを生んでしまうのではないかと心配になります。
裏を返せば組織的な活動を維持するためには、強いマネジメントが必要だということです。
働き方を多様にすることには、相応の覚悟と改革が必要なのだと思います。
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