【飯田線各駅訪問】56 伊那八幡駅
歴史と発展を持ち合わせた街
国道を歩いていると、交差点の奥の方に駅舎が見えた。その錆びた屋根は寂しさを引き立たせるが、実際には交換線と立派な駅舎をもつ大きな駅である。
当駅は飯田市の松尾地区の中心、伊那八幡という駅。徒歩数分のところに「鳩ヶ峯八幡宮」という神社があるため、この付近一帯は「八幡町」と呼ばれている。そのため当駅も、「松尾駅」だとかではなく「伊那八幡駅」となっている。近隣には「鼎」だとか「川路」のように、地区名そのままが駅名となっていることもそこそこあるが、この「伊那八幡」はなんだか歴史をも感じさせる駅名だ。
当駅付近は国道が通り、商店街のように建物が連なっているのでどちらかというと“街の駅”といった雰囲気である。松尾地区自体、この飯田市内でも最も意気盛んな地区のひとつなのだから、当駅の屋根の状態だけを見て「寂れた」なんて、あまりにも表面的だし単純すぎた…。
さて、当駅の隣駅である下山村駅は、私の徒歩通学途中に少し寄り道すれば寄ることができる。しかしこの伊那八幡となると、ルートから外れてしまうので、下山村駅よりも私にとって馴染みが薄い。それでも小学生の頃からよく訪れている駅だし、最近も駅前を通ることも少なくない。正直なところ、駅舎があまりきれいでないのでそれほど気に入った駅ではないのだが、この付近を通るといつもなぜか、この駅に吸い寄せられてしまう私だった…。
2024.02
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