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メイク男子の苦悩~vol.2~

 僕はメイク男子であり、メイクをすることが当たり前になっています。今では周囲も当たり前に「メイクをする僕」を受け入れてくれます。しかしメンズがメイクをする上で悩みはたくさんありました。今でもすべてが解消されたわけではありません。その苦悩について語っていきます。

メイクをしている、またはしたいと思っているメンズが苦悩を共感できたり、一歩踏み出すきっかけになれば幸いです。

また、メイク男子やジェンダーに関心がある方にも、考えるきっかけや何かの参考になることを願っています。

前回はメイクを始めるとき、何をどうやって買ったらいいのか苦悩した経験について述べました。今回はメンズメイクの方法や女性のメイクと男性のメイクの違いによって苦悩した経験について語っていきます。

※前回記事はこちら


暗中模索と下手なメイク

 何とかコスメを手に入れた僕が次に悩んだことは、メイクの方法でした。これは男女に限らずですが、メイクについて教えてくれる人など基本的に存在しません。さらにメンズメイクとなるとそもそもやっている人を見つけることさえ困難です。当時はYouTubeで調べてもほとんど出てきませんでした。そのため女性YouTuberのメイク動画で参考になるものを搔い摘みながら、メンズでも使えるような方法を学んでいました。

初めてのメイクはベースメイクだけだったのですが、それですら悲惨なものでした。肌に雑にBBクリームを塗りたくって終わりというなんともお粗末なもので、今思い返すと恥ずかしくなります。しかし当時の僕は正解がわからず、ムラがあり厚化粧になってしまっていたり、フェイスパウダーをはたいていないためテカりやヨレも大きかったです。その失敗に気づいたのは、日々メイクを続け研究しメイクをすることが自分の中で当たり前になったときでした。それと同時に次の苦悩が襲い掛かってきます。

女性のメイクとメンズメイクの違い

 女性と男性でメイクを必ずしも変える必要はないと思っています。しかしメイク始めたての僕はメイクをしていると悟られることを恐れていました。男性でメイクをしている方やメイクをしようとしている方の中には、その恐怖に共感してくださる方も多いのではないでしょうか。その思考を内在させながらメイクをしようとすると、必然的に女性とは異なるメイクとなります。

 今考えると男女差という理不尽なものに左右されていること自体に苦悩していたのかもしれません。そんな中でメンズなりのさり気ないメイクを追及していきました。ベースメイクを変えてみたり、薄くしてみたり濃くしてみたり、アイメイクをしたりやめたりと試行錯誤の繰り返しです。女性と同じことをすると厚化粧に見えてしまい、薄くしすぎるとカバーしたいものをカバーしきれませんでした。元々メイクに正解などないのですが、自分の中の正解と世間で浮かないことの中庸を見つけることは、大変な労力を要しました。

やっとの思いで見つけた中庸も、偏見と視線の中で簡単に揺らいでいきます。

ーvol.3へ続くー

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